1分1ラウンド。超短期決戦の格闘技イベントが話題を呼んでいます。

レディオブック株式会社 CEOのYUGOさんが代表、且つ総合プロデュースを手掛ける「BreakingDown」です。


これから名を上げんと意気込む選手たちのストーリー。それぞれの思いが込められた1分間の本気のぶつかり合い。まさに、大会名のとおり、格闘技や格闘家の固定観念を“壊し続けています”。

第5回大会を7月17日(日)に控え、さらに注目が高まる「BreakingDown」。

レディオブックのCBO兼クリエイティブディレクターも務め、大会のメインビジュアルをデザインする前田高志が、YUGOさん(&途中から緊急参加のひろゆきさん)に「BreakingDown」のこれまでとこれからを徹底的に聞きました。


世界を見据えたブランディング戦略は、さすがに1分では収まりませんでした。


玄人にしか理解できない駆け引きを取っ払う


前田:そういえば、NASUメディアでYUGOさんと対談するのは初めてですね。


YUGO:そうでしたっけ? 以前取材してもらったような……、あぁでもあれは対談じゃなかったですね。なかなか呼んでくれないから(笑)。というのは冗談ですが、今日はマエディにお任せするんで、よろしくお願いします!


前田:今回は「BreakingDown」の話をお聞きしたいと思って。2021年7月に大会が始まって、次が第5回大会になりますね。


YUGO:そうっすね。約1年、試行錯誤して、やっと認知が得られてきた感じです。


前田:レディオブックって、スマホの事業がメインでありながら、色んなビジネスをやってますよね。「BreakingDown」はどういうきっかけで始めたんですか?


YUGO:元はと言うと、スペシャルアドバイザーで入ってもらってる朝倉未来さんがYouTubeの自分のチャンネルで言ってたんですよ。「1分の試合って面白そうじゃない?」って。そのとき、未来さんとの接点はなかったんですけど、たしかに面白そうだなと思って、「実際にやってみませんか?」ってアプローチしたんです。


前田:面白そうだと直感して、すぐアクションを起こすYUGOさんがすごい(笑)。1分の試合っていうのにピンと来たんですか?


YUGO:そうそうそう。格闘技って、技術レベルが高くなっていて、素人目にわかりにくくなってると思うんですよ。ジャブで牽制し合うとか、寝技の攻防とか、その攻防の意味がぱっと見では伝わりにくい。


前田:それはありますね。僕はほとんど格闘技を観ないんで、プロの駆け引きの部分は全然わかんないです。


YUGO:そこなんですよ。良くも悪くも競技化してるんで、玄人だけが楽しめるコンテンツに寄ってきてるんです。だったら、そういう難しい駆け引きを全部取っ払っちゃおうと。


前田:僕みたいな素人にもわかりやすいコンテンツにするってことですね。


YUGO:そうそう。1分っていう時間を決めて、本気でぶつかり合う。そうしたら格闘技のわかりやすい部分を凝縮できるし、面白いんじゃないかって考えたんです。


前田:なるほどなぁ。そういえば、YUGOさん自身も以前、格闘技をしていて、プロデビューもしてるじゃないですか。だから、いつかビジネスにしたいっていう思いがあったとか?


YUGO:いや、それは全然(笑)。格闘技業界のことを多少知っていたのはありますけど、“業界のため”みたいな意識はないですね。そもそも、僕、物事にあんま興味ないんですよ。


前田:そう言われてみると、あんまり何かに執着するイメージはないかもしれないですね。


YUGO:スマホも、F1も、フェラーリも、うちの事業は全部そうですけど、僕が強い関心を持っていたわけじゃないんですよ。でも、その商品なり、サービスなりの「ブランディングに興味があるから」やってるんです。


前田:「ブランディングが好きだから」というのが根っこにはあるんですかね。


YUGO:だと思います。「こういうブランディングしたらオモロいかな」って考えるのが、自分のモチベーションになってるのは確かですね。


ロゴはとにかく見た目がカッコ良いものに


前田:「BreakingDown」のブランディングとしては何から着手したんですか?


YUGO:最初は大会のネーミングでした。「BreakingDown」はNASUさんからもらった案の一つでしたね。


前田:はい。その名称に合わせて、NASUでロゴをデザインさせてもらいました。ロゴデザインもNASUのデザイナーみんなで案を出しました。


YUGO:結構な数の案があがってきて「すげぇなぁ」と思ったんですけど、どうやって考えたんですか?


前田:未来さんがやってるアパレルブランドのロゴとかファッションアイテムを見たんですよ。結構シンプルでスタンダードなものがお好きだと思ったんで、そういう案を多めにしました。でも、正直、あんまり意味づけとか深く考えてないんですよ。


YUGO:へぇ〜そうだったんだ(笑)。オモロ!


前田:たぶん、未来さんもYUGOさんと一緒で、「こういう思いをお持ちなんで、このロゴ案にしました」って言って響くタイプじゃないと思ったんですよね。


YUGO:それはそうかも。未来さんは、思考のプロセスを口に出すタイプじゃないんですけど、自分の中に明確な判断軸があって、直感的に決めるタイプの方だと思います。


前田:であれば、今回のアプローチは良かったかもしれません。デザインって、思考と造形の2つのアプローチがあるんですよ。コンセプトや意味付けから入るか、形や見た目から入るか。今回も含めてYUGOさんの案件は、完全に造形から考えてます


YUGO:今回のロゴ案も全部めっちゃカッコ良かったですよ。どれに決まっても納得できるデザインだと思ってました。


いつの時代もウケるオーディションというコンテンツ


前田:「BreakingDown」はこれまで4回やってきて、今年3月に開催されたBreakingDown4は特に注目を集めましたよね。


YUGO:そうっすね。結構バズったなっていう手応えはあります。


前田:特に、出場選手のオーディションはかなりインパクトがあったんじゃないかなと。


YUGO:はい、新しいスターが生まれる場所ができたなと思ってます。


前田:僕は「こめお」が忘れられないです(笑)。あのキックがめっちゃ面白くて!


YUGO:はっはっはっはっ! 普通に前蹴りしてるだけなんですけどね(笑)。彼もすごく良いキャラクターです。


前田:なんでまたオーディションを始めたんですか?


YUGO:きっかけで言うと、未来さんにストリートファイトで勝ったら1,000万円って企画があったじゃないですか。


前田:ありました。あれもオーディションでしたね。


YUGO:そうなんですよ。もう一つは、昔テレビでやってた『ガチンコファイトクラブ』。


前田:不良がボクシングのプロテスト合格を目指す企画ですよね。


YUGO:あれもストーリーがあって、プロになるまでを楽しむコンテンツなわけですよ。結局、いつの時代もみんなこういうコンテンツが好きなんだなと思って。


前田:なんか野次馬的につい観ちゃいますよね。


YUGO:そうそう。だったら「BreakingDown」もオーディションをやって、人となりやストーリーを見てもらうことから始めたら、ウケるんじゃないかって考えて始めました。


前田:ここだけの話、参加者はホントに仕込み無しなんですか?


YUGO:やっぱ気になりますよね(笑)。断言しておきます。仕込み無しです。マジで無いです!


前田:へぇ〜!


YUGO:自分のキャラをどうするかは全て参加者次第。運営側は、一人ひとりのキャラに合わせて、誰と対戦させたら面白いストーリー、面白い試合になるかを考えながら、マッチメイクしていくんです。


前田:試合とストーリー、両方の側面から考えるわけですよね。難しそう……。


YUGO:めっちゃ悩みます。それがコンテンツとしての面白さに直結するんで。


前田:マッチメイクに限らず、運営側が考えることはめちゃくちゃありますよね。打ち合わせはどれくらいの頻度でやってるんですか?


YUGO:定例ミーティングは週1回、毎週金曜にやってます。新しいアイデアもガンガン出てくるんで、面白そうだと思ったらどんどんトライしてます。


前田:じゃあパッと出たアイデアを「やってみよう」ってなることも?


YUGO:あります、あります。BreakingDown4の公開軽量もそうですよ。未来さんのチャンネルで生放送して200万回再生いきましたけど、あれも急に決まったんですから。


前田:えっ!? 前々からセッティングされてたのかと思ってました。


YUGO:いやいや。本当は装飾とかディティールにもっとこだわりたかったんですけどね。今回で基本形はできたんで、次やるときはここからブラッシュアップしていこうと思ってます。


1分の価値を高める「ストーリー性」


前田:1年も経ってない中で、コンテンツとして凄まじいスピードで進化してるのは、YUGOさんはじめ運営サイドのスピード感があってこそなんですね。


YUGO:まぁまだ課題は多いですよ。「BreakingDown」って、レディオブックが中心で運営していますけど、イベントやって、コンテンツつくって、PRしてって……これだけでもごく一部で、色々な人が絡んでいるんです。トライ&エラーをしながら経験値を積んでいっている感じですね。


前田:組織づくりも含めて、走りながらブラッシュアップしていると。


YUGO:そうっすね。課題は明確化できてるんで。今は一つひとつ潰しながら、「BreakingDown」の価値を高めていくのが第一です。


前田:2年目のフェーズではどんなことを目指していくんですか?


YUGO:去年は、“1分1ラウンドの試合と興行が成り立つか”を仮説検証するフェーズだったんです。その結果、面白くなることはわかりましたと。コアの部分が面白いなら、あとは外側の部分。ストーリー性を磨いていくフェーズです。だから、BreakingDown4のオーディションがウケたのは、「BreakingDown」にとって一つの転換期になったと思ってます。


前田:そのストーリー性こそがコンテンツとしての価値になりそうですもんね。


YUGO:まさにそうです。認知は得てきていますけど、まだ「朝倉未来」という看板に頼る部分が大きい。「BreakingDown」というコンテンツとしての価値を高めて、認知を獲っていくのが重要なんです。


前田:なるほど。僕みたいに格闘技に詳しくない人だと、格闘技や喧嘩っぽいイメージが強くなると、入りにくくなっちゃうかなって感じてて。一般の新規ファンを獲っていくには、カッコ良いスポーツのように見せていけるといいんじゃないかなって個人的には思ってます。


YUGO:たしかに、たしかに。中身は格闘技でも、それ以外がカッコ良ければ、中和されてちょうど良い温度感にはなりますね。


前田:そこは、僕らがデザインで解決できる部分もあると思ってます。あとは、やっぱりコアとなる1分の戦いの価値をいかに高めるかですよね。


YUGO:そうなんです。マエディ、なんかアイデアあります?


前田:急に!(笑) そうですねぇ……負けたら大事なもの壊されちゃうとか。鉄球が飛んできてガッシャーンみたいな。


YUGO:はっはっはっはっ! 実はね、近いアイデアが出たことあるんですよ。


前田:えっ、ホントですか!?


YUGO:勝ったら何かを得られて、負けたら財産を失うみたいな。結局、オーディションに落ち着いたんですけど、考え方としては似てますよね。出場すれば人生が変わる可能性がありますから。


前田:「人生で一番大事な1分」って言われたら、戦う側も、観る側も前のめりになっちゃいそうです。いかにストーリーが乗っかるかで、1分の対戦も、「BreakingDown」も価値が高まっていきそうですね。


ひろゆき氏が語る、誰でも真似できるコンテンツだからこその攻めと守り


YUGO:そうそう、今日アドバイザーのひろゆきさんも来てるんで、せっかくだから話してもらいましょうか。ひろゆきさ〜ん!


前田:そんな急に!(笑)


ひろゆき:はいはーい、どうしたんすか?


YUGO:ちょうど「BreakingDown」について取材を受けてて、ちょっとだけいい?


ひろゆき:だいじょぶっすよ。


前田:ありがとうございます!


ひろゆき:いえいえ、よろしくお願いしまーす。


前田:ひろゆきさんがレディオブックで関わられてるのが「RENASCENCE」と、この「BreakingDown」なんですよね。


ひろゆき:まぁ実際はあんま関わってないっすけどね(笑)。


YUGO:いやいや! 定例のミーティングは出てもらってますし、色々アドバイスをもらってます。ついさっきも、「BreakingDown」のブランディングについてすごい参考になる意見をくれて。


前田:どんな話だったんですか?


ひろゆき:コンテンツって、同じことをずっとやってると飽きられてしまうわけですよね。YouTuberの世界も、どんどん人気者が入れ替わるじゃないですか。そういう人気の波が起きないようにするか、あるいは波が起きたときにも上に乗れるブランドにするにはどうしたらいいかって話で。さっきたまたま暇だったんでYUGOさんにすげえ説明してたんです。


YUGO:その方法の一つとして教えてもらったのが、超簡単に言うとフランチャイズ化。今の「BreakingDown」の縮小バージョンを日本各地で展開する。それで年に1回、全国大会をやる。そうしたら巻き込み力も出て、ビジネス的な収益も期待できるんじゃないかって。


ひろゆき:付け加えると、プラスになるって話だけじゃないんですよ。1分1ラウンドの試合をして、ライブ配信すること自体は誰でも真似できちゃいますよねと。これが儲かるって気づかれたら、二番煎じ、三番煎じが出てくるかもしれない。そういう時のために市場を安定的に抑えておいて、新しい芽を潰せるようじゃないとマズいっていう。要は、ビジネスとして攻めの側面だけじゃなくて、守りの側面もあるっていう話です。


前田:めちゃくちゃすごいアドバイスじゃないですか!


ひろゆき:っていうような話を、暇があればさせてもらってるって感じです。他にも、Breakingdown4とかは、控室からの謎配信とかやらされましたけど(笑)。


YUGO:はっはっはっはっ! 普通、格闘技の大会で控室からのレポートって、試合前だから部屋の前とかから静かにやるのが暗黙のルールみたいになってるんです。でも、ひろゆきさんにレポーターをしてもらったら、普通に控室内に突撃していくっていう(笑)。めちゃくちゃオモロかったですよ。


ひろゆき:あぁ〜ああいう品があるレポートがってことですか?


YUGO:いやいや(笑)。格闘技の予定調和、固定観念をぶっ壊してくれるのがいいんですよ。


前田:その面白さが、こわいイメージを中和してくれそうですよね。


YUGO:そうなんですよ。実際、反響も良かったですし。いずれは、ひろゆきさんに解説をやってほしいと思ってます。


前田:せっかくの機会なんで聞きたいんですけど、「BreakingDown」のロゴについてはどんな印象を持ちました?


ひろゆき:そうっすねぇ、レトロな格ゲー(格闘ゲーム)にありそうなロゴだなと思いました。初見の人が見たら、「BreakingDown」が伝統的な大会だと思うんじゃないかなっていうくらい、人の記憶に馴染んだロゴだなって。「BreakingDown」って、マスを獲りにいこうとしてるから、これくらいがちょうどいいんじゃないですかね。


YUGO:ひろゆきさん、飛行機の時間は大丈夫ですか?


ひろゆき:そうっすね。そろそろ帰る準備しないと。


前田:急なお願いにも関わらず、ありがとうございました!


1分1ラウンドで世界へ


前田:最後に、YUGOさんが考える「BreakingDown」の展望について聞かせてください。


YUGO:「BreakingDown」の価値を高めていって、いずれはムーブメントに持っていきたいですね。昔、自分たちがプロレスごっこをしたみたいに、「BreakingDownごっこ」が流行るくらいに。


前田:おぉ〜! いずれは世界も?


YUGO:もちろん、もちろん! 1分1ラウンドって、日本だけじゃなくて世界共通で理解できるルールですし。言語不要で楽しめると思うんですよね。全世界で「BreakingDown」を広めていくのが最終のゴールかなとは思ってます。

前田:YUGOさんはどんなビジネスでも世界を見据えていますよね。


YUGO:規模感の小さいことには興味がないんですよ。どうせなら、世界中の人が面白がってくれることをやりたいっていう。

前田:僕もYUGOさんと仕事をするようになって、マインド面でめちゃくちゃ影響を受けてます。今は「NASUとしてデザインで日本に何か残したい」っていう思いで仕事してますから。かつては思いもしなかったですけどね。


YUGO:そう言れれると嬉しいですね。僕は逆に、マエディであり、NASUさんのアクション一つひとつに刺激をもらってますよ。うちの会社の行動指針に「縛りつけ合うことなく惹き付け合い切磋琢磨しろ」って掲げてるんです。マエディとの関係は、まさにこの惹き付け合いだなって。


前田:めっちゃ良い言葉ですね。


YUGO:これは情とか筋じゃなくて、デザインはまずマエディに頼みたいと思ってますから。すごく覚えているのが、いつだったかマエディが「自分の代表作をつくりたい」って話をしてたんですよね。だったらうちのビジネスでデザインをしてもらって、そのビジネスが大きくなれば代表作になりますよねって。


前田:ホント、ありがたいっす。その代わりと言っちゃなんなんですけど、YUGOさんの依頼はめちゃくちゃ難しいんですよ。いつも決まって「マエディ先生が良いと思うものにしてください」って。もうこれ究極の依頼ですよ!


YUGO:はっはっはっはっ! 餅は餅屋ですし、きちんと僕のコンセプトを拾い上げてくれてるのはわかるんで。よっぽどイメージと違うものが上がってきたら言うと思いますけど、そういうことは一度もない。複数案あってもどれもオーダーに沿ってる。あとはもう「マエディが良いと思うやつで」って言うしかないだけですよ。


前田:「BreakingDown」もこれから新たな成長フェーズを進むなかで、引き続き僕たちNASUもデザイン面で並走させてもらえたらと思ってます。


YUGO:こちらこそ、よろしくお願いします。


前田:一ファンとしても「BreakingDown」の今後が楽しみです。「こめお」どうなるかなぁ〜?


YUGO:ハマりすぎでしょ(笑)。色々新しい仕掛けも考えてるんで、オーディションや、7月17日の本大会ともに期待しててください!


お知らせ

BreakingDown5は7月17日(日)に開催されます。
詳しくは、公式HPをご覧ください。
https://breakingdown.jp/

また、BreakingDown5のオーディション動画が、本日公開されました。こちらのYouTube動画をぜひご覧ください。






〈文=木村涼 (@riokimakbn)/ 取材・編集=浜田綾(@hamadaaya914)/  撮影=ただの ちひろ(@chihiro146)/  バナーデザイン=小賀雪陽(@koga_bai)〉