私たち株式会社NASUは、みなさまの成し遂げたいことをデザインで成す、ビジネスで勝てるデザインをご提供するデザインファームです。

NASU(ナス)という屋号は「為せば成る」に由来しています。

誰かが成し遂げたい「夢」や「想い」をデザインの力で作り上げる。デザインは小さな気配りの集まりです。小さな一つのブロックを一歩一歩積み上げ、強固なブランドを築き上げていく。そんな風にお役に立てれば幸いです。


私たちは、普段こんなお仕事をしています。


今回は、「デザイン経営」の有効性とNASUが行うデザイン経営の実例についてご紹介します。

✅デザイン経営ってよく聞くけど、結局のところ何なのか?
デザイン経営を取り入れるとどういいのか?
デザイン経営の具体例を知りたい!

という方にぜひおすすめです。


【デザイン経営セミナー(無料)のお知らせ】

「デザイン経営セミナー」をオンライン開催します。(無料です)デザイン経営に興味のある法人の方のご参加をお待ちしております。

※デザインを運用する、非デザイナーの方向けのセミナーです。デザイナー、アートディレクターなど同業の方はご遠慮いただくことがあります。

お申し込みは、こちらのフォームから。

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わかってるようでわかってない「デザイン経営」

企業における「デザイン経営」の必要性が高まっています。しかし、デザイン経営について、その意味を正確に理解している方は実はまだ少ないのではないでしょうか?


特許庁が公開している資料「デザイン経営」宣言では、デザイン経営を「デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する経営である。」と定義しています。経営資源とは、企業経営をするうえで役立つ要素や能力のことで、一般的にはヒト、モノ、カネ、情報の4つがあげられますが、ここにデザインの考え方を取り入れていこうということです。


デザインの力が重要視されているということの現れと言えます!!




デザインを取り入れる=見た目がオシャレになるだけではない。

お客様とのやりとりで、こんな言葉を聞いたことがあります。ごもっともです。これは「デザイン」という言葉が、一般的に「おしゃれ」「見た目が綺麗になる」など装飾的なもののみと捉えられているから生じる疑問なのだと思います。

「デザイン」とは、ロゴデザインを作る、Webサイトを作るなど装飾的なものを作ることだけにとどまりません。それは、デザインの一側面で狭義のデザインと呼ばれています。


広義のデザインには、製品デザイン、サービスデザイン、ユーザー体験、などもっと広いものが含まれます。具体的には以下のようなものがあります。


そして、経営のデザインには、企業のビジョン、戦略のデザインや組織文化のデザインなどが含まれます。具体的には、以下のようなものがあります。


つまり、デザインの定義とは、一般的に考えられているよりももっと広いもので、デザイン経営の「デザイン」も経営のデザインまでの幅広いものを扱います。

経済産業省、第4次産業革命におけるデザイン等のクリエイティブの
重要性及び具体的な施策検討に係る調査研究報告書
内の図をもとに作成

以上が広義のデザインと経営のデザインの具体例です。デザインの考え方を製品やサービスだけでなく、組織全体に適用することで、より総合的な価値を創造することが可能となります。


では、経営のデザインまでを含んだ、広い概念でのデザインを取り入れると、会社にとって具体的にどんないいことがあるのでしょうか。




欧米での結果から見る「デザイン経営」の成果

欧⽶ではデザインへの投資を⾏う企業パフォーマンスについての研究が⾏われており、デザインへの投資を⾏う企業が、⾼いパフォーマンスを発揮しているようです。

特許庁によると「デザイン経営」の成果を以下のように示しています。


例えば、British Design Councilは、デザインに投資すると、その4倍の利益を得られると発表した。また、Design Value Indexは、S&P500全体と⽐較して過去10年間で2.1倍成⻑したことを明らかにした。その他の調査を⾒ても、「デザイン経営」を⾏う会社は⾼い競争⼒を保っていることがわかる。これがデザインを取り巻く世界の常識となっている。⼀⽅、⽇本の経営者がデザインに積極的に取り組んでいるとは⾔い難い。

特許庁「デザイン経営」宣言より引用

これがデザインの力!


利益以外で得られる「デザイン経営」の効果

デザイン=オシャレなものを作るだけじゃないのはわかった。
欧米では、デザイン経営で結果が出ていることもわかった。

それでも、デザイン経営に踏み切ることに躊躇している方がいても不思議ではありません。会社の利益や成長が見込まれる可能性が高いことは間違いありませんが、そこに至るまでには少し時間がかかるからではないでしょうか?

そこで、私たちのデザインを通してクライアント様からいただいた言葉をお借りして、利益などの数字以外でのデザイン経営のメリットをご説明します。


社長の頭の中、会社がやっていることを具現化

一番多いのは、「頭の中で考えていたことが形になってすっきりした」「考えていたことを形にしてもらえた」という言葉です。主に経営者の方からよく言われます。私たちは、デザインする際、ヒアリングにかなりの時間をかけます。ヒアリング、それからコンセプトワークを1ヶ月かけて行うことが多いです。


その過程を経てデザインするので、社長が日頃から考えている頭の中を整理できたり、会社の内容を一目で表したり、経営の重要な指針となるようなデザイン、コンセプトを生み出すことができます。


株式会社NEXERA(ネクセラ)さんは、ビジネスゲームを活用した体験による学びの環境を提供しています。NEXERAさんのコーポレートロゴをデザインする際、クリエイティブコンセプトを決めました。コンセプトワークを行った結果「学びのセンスを追求する」の言葉にたどり着きます。



「センス」っていう言葉は曖昧でブレやすいため普段使いません。しかし、今回のネクセラさんの事例においてはあえて使う必要があると感じました。

NEXERAさんは、ボードゲームを使って研修を行なっています。堅苦しい、いわゆる研修ではない。ボードゲームを思わず手に取りたくなる。そのためにプロダクトのデザインにこだわっています。社名もNEXERAは、Next(次の)Era(時代)という意味からできていて、それが新しい時代を作る会社であることを表しています。プロダクトにこだわり、それで新しい時代を切り開くからこそ、センスの言葉をあえて使いました。
 
この提案をネクセラさんにしたところ、社長の飛田さん、CBO(チーフ・ゲームボード・オフィサー)の山本さんより「センスって自分たちが日頃から大事にしていたワード」「まさにこれだ!鳥肌たった!」とのお言葉をいただきました。




「デザイン経営」は「全員経営」のきっかけになる

もう一つ大きな効果としては、社内の文化を共有したり、一体感を作るきっかけになることです。私たちがデザインする際、意思決定は社長などお一人の方にお願いしますが、ヒアリングやコンセプトワークには可能な限り多くのメンバーに参加してもらうことをお勧めします。

なぜなら、ロゴやWebデザインは、会社の思想を形にしたもの。であれば、経営層に限らず、多くのメンバーの意見を取り入れた上で作った方が皆が納得できて、かつ理解が深まります。

助産師の力でいのちにまつわる社会課題を解決する会社である株式会社With Midwifeさんのロゴデザインを制作した際は、社長の岸畑さんだけでなく、当時在籍していたメンバー全員に打ち合わせや、デザインやりとりのチャットに参加していただき、まさに「みんなで作った」ロゴデザインとなりました。


この説明だけでは伝わりにくいと思います。そこで、NASUの実際の制作事例とともにデザイン経営を取り入れたクライアント様についてご説明します。



渡辺ブルドーザ工事株式会社の事例

課題:採用がうまくいかない

渡辺ブルドーザ工事株式会社(以下:ワタブル)さんは、静岡県富士市にある土木工事の会社です。事後業拡大に向けて、採用に力を入れたい。なかなかうまくいかないので、デザインの力を投入したいという依頼でした。(ちなみに、この会社の顧問の方が『勝てるデザイン』を読み感銘を受けて依頼をしてくださいました。)

ワタブルさんは、静岡の富士市を起点として土木事業を行っている会社です。建築の前に土地を整地したり、解体した後の土地を整地したり。富士山の噴火により流れてくる土砂をせき止める堤防を作ったり、堤防に溜まった土砂を運んだりしたりもしています。このおかげで富士山のふもとの街の景観が保たれていると言えます。
 
キツいと思われがちな土木業界ですが、今はショベルカーもハイテクでエアコン完備、重機のIT化が進んでいるとのこと。ワタブルさんはそれでも、技術を高めるために、ショベルカーの練習場も作ったりしています。イノベーティブなおもしろい土木会社です。
 
依頼されたのは3点
・ロゴデザイン
・会社案内
・Webサイト

ちなみに、ご依頼前のWebサイトはこうでした。


 
事業はうまくいっているが、採用に困っている会社さんは意外と多いようです。人口が減っているので、学生の取り合いになっている。そういう背景を踏まえると、デザインの果たす役割は大きいと言えます。
 

「勝てるヒアリングシート」を用いたヒアリング

ヒアリングはNASU独自のヒアリングシートに基づき丁寧に行います。ビジュアルを作るのは私たちの役割ですが、あくまでお客様とコミュニケーションを取り一緒に作り上げる姿勢を大切にしています。

デザインのご依頼に関する内容はもちろんのこと、お客様の趣味やこれまでの歩みなども伺います。一見デザインとは関係のないものの中にデザインのヒントの種が潜んでいることもあるからです。



コンセプトワーク

ヒアリングを元に、コンセプトを考えます。コンセプトとは、ものづくりをする上での指針となる言葉や概念です。

ワタブルさんには、以下のワークに回答していただきました。

その結果導き出されたクリエイティブコンセプトは「土木業界の正義の味方」。義を大事にしている現社長、将来後を継ぐことになる息子さん。ふたりとも言葉は違えど「義の精神」を大事にしていることがわかりました。

「義」を辞書で引くと「条理。正しい道。道理にかなったこと。人道に従うこと。」

このコンセプトにより、ものづくりの指針が定まりました。おしゃれなだけのデザインはしない。土木業界のイメージを変えようとしてはいけない。ぜんぶがそんなデザインになってしまう。ブランディングフォーマットが氾濫する世の中、そこに傾倒してはいけないとプレゼンをしました。「ワタブルらしさ」を正しく伝える。ただっこいいだけのものではなく、ありのままを伝える。


複数の案を提案した結果、「義」の考え方で作る、このロゴデザインが採用されました。

渡辺ブルドーザ工事株式会社は、地元では「ワタブル」さんという愛称で呼ばれています。wataburuと、表記するとどうしても長くなる。ということで子音だけを残した「WTBL」のロゴに。また、太く真っ直すぐ続く線は、更地を作る仕事であることと、ワタブルのみなさんの仕事や人に向き合う姿勢がまっすぐであることを示しています。

Webサイトも、クリエイティブコンセプトを活かし、ただおしゃれなサイトではなく、土木の力強さ、プロフェッショナル感、ありのままを伝えることを意識しました。

Webサイトを開くと、重機で土地を平らにして、更地を作る仕事を表現しているモーショングラフィックが表示されます。

制作を振り返って、みなさまからコメントをいただきました。

渡辺ブルドーザ工事株式会社 代表取締役社長 
渡辺敏弘様

当社は創業から64年が経過し、歴史と実績を積み重ねてきましたが、どうしても古いイメージもあり、それを一新したくNASUさんに依頼をしました。次の世代へ引き継げるものを作っていただき、感謝しています。
このデザインとならこれからも頑張っていける、この会社はもっと良くなるという気持ちになれました。

渡辺ブルドーザ工事株式会社
渡辺稜介様

子どもの頃から身近な会社、一番見てきた会社がこんな風に変わるとは。いいロゴ、いいWebサイト、いい名刺、いいパンフレット、全てがとにかく嬉しいです。

渡辺ブルドーザ工事株式会社 顧問
柴戸彰様

NASUさんは、一緒にものづくりをする際「これはどう?」と聞いたら、一旦持ち帰って、そのままの形にするのではなく、もっといいものにブラッシュアップしてくれます。Aがいいね!でミーティングが終わると、次のミーティングでは、さらにいいA’なっている。思っていた以上のものを制作してくれました。



「勝てるデザイン」のタネは、コンセプト、タグライン、デザインの物差しから。

今回のワタブルさんの事例のように、私たちがご提供するのは、ロゴデザインやWebデザインつまり狭義のデザインです。しかし、実際はそれだけではありません。広義のデザインと経営のデザインを解決することができるコンセプト、タグライン、デザインの物差しも含んでいます。

デザインはコンセプト、タグラインの思想を形に落とし込んだにすぎません。ですから、形を作っているようですが、それだけではなく会社やサービスなどの根幹の思想となる部分の具現化をすることが私たちの役割です。

ワタブルさんの場合、コンセプトが「義の精神」だったので、ただおしゃれにするのではなく道理にかなった、正しい道を示すことを大切にしました。

お客様へ約束する言葉となるタグラインは「まっすぐに」。仕事や人への向き合い方が真摯であることからです。

そして、デザインの物差しとは、デザインを制作したり、何かしらのクリエイティブな判断をする際の判断軸です。ワタブルさんの場合は「飾らない、ありのまま」。この物差しがあったから、おしゃれにするのではなく、ありのままを伝えるためのデザイン、写真、コピーライティングを意識して制作することができました。



コンセプト、タグライン、デザインの物差しは、一生使える。


ブレないコンセプトを持つとどういいのか?

マーケティングを取り入れつつ、市場を見ながらコンセプトを柔軟に変更するという考え方があります。しかし、一時的なコンセプトを作り、それが機能しなかった場合、新しいコンセプトを作るだけでなく、既存のコンセプトから塗り替えるコストもかかる。つまり、1つ1つのコストはそこまで高額でなくとも、合わないと感じたときに作り替え、塗り替えるコストは大きくなります。

それであれば一見高額でもブレないコンセプトを定めてしまう方がコストパフォーマンスがよいのです。また企業やサービスとしての見え方に一貫性を持たせることができ、狭義のデザイン・広義のデザイン・経営のデザイン全てを解決することができます。


事例でご紹介した、ワタブルさんの場合。今回デザインをリニューアルすることをきっかけに、形だけではなく会社の内部もとなり、より働きやすい職場を目指しての社内講習を実施しました。その取り組みは、地元の新聞からも取材があったとか。

経営のデザインまで作用した事例と言えるでしょう。




【デザイン経営セミナー(無料)のお知らせ】

「デザイン経営セミナー」をオンライン開催します。(無料です)デザイン経営に興味のある法人の方のご参加をお待ちしております。

※デザインを運用する、非デザイナーの方向けのセミナーです。デザイナー、アートディレクターなど同業の方はご遠慮いただくことがあります。

開催概要
「NASUのデザイン経営セミナー」
日程 2023年6月30日(金)
時間 12時〜13時
場所 オンライン

セミナーの対象
デザイン経営に興味関心がある企業様。
デザインを運用する立場の方のご参加をお願いします。
※同業他社の方の参加はご遠慮願います。


申し込み締め切り
2023年6月30日(金)11時まで

セミナー内容
・デザイン経営の概要
・デザイン経営の効果
・デザイン経営の具体例

スピーカー
株式会社NASU 代表取締役 前田高志

大阪芸術大学デザイン学科卒業後、任天堂株式会社へ入社。約15年プロモーションに携わったのち、父の病気をきっかけに独立を決意。2016年2月からNASU(ナス)という屋号でフリーランスとしてスタート。NASUとは、デザインで成(為)すの意。同年4月から専門学校HALにて非常勤講師に。2017年から大阪芸術大学非常勤講師に(現在はいずれも退任)。2018年、自身のコミュニティ「前田デザイン室」を設立。 2020年1月よりレディオブック株式会社のクリエイティブディレクターに就任。NASUで手掛けた名刺が、レディオブックが「スクーデリア・フェラーリ」と日本企業として13年ぶりのパートナーシップ契約を結ぶきっかけとなる。 2021年3月17日にデザイン本『勝てるデザイン』を幻冬舎から、9月17日にデザイン本『鬼フィードバック デザインのチカラは“ダメ出し”で育つ』をMdNから出版。



セミナーへの参加は、
こちらのフォームよりお申し込みください。

申込期限:6月30日(金)11時まで