みなさん、こんばんは!
NASUメディアの編集長や、PR、コミュニティのお仕事をしている浜田です。


もうすぐ41歳になるのですが、40歳を過ぎてから、急に太りやすく痩せにくい体質になりました。一念発起し、最近はパーソナルトレーニング通いに励んでいます。何事もやり始めると、ハマる性格なので、最近は健康的な食生活とストレッチを社内に布教している、そんな私です。よろしくお願いします。

NASUメンバーで自分の偏愛について語るスーパーマニアック記事の目安は1万文字。「1万文字くらい語れるフェチを持とう」という理由がそのきっかけです。前回は、私が一方的にお慕い申し上げている、ライターの古賀史健さんのnoteの素晴らしさをライター目線で語ってみました。なんとも恐れ多いことをしたものです。


今回の偏愛記事は何を書こうかと困っていたのですが、社長の前田さんに「綾さん、相棒好きっていつも言ってるから相棒にすれば?」と言われました。相棒といえば、あのテレビドラマの『相棒』シリーズです。


毎年秋になると放送が開始し、今年でなんとseason20を迎える。つまり20年も続いている名作ドラマの相棒です。見たことがない人もいらっしゃると思うので、3行で説明してみます。

説明しよう。TVドラマ『相棒』とは?

・2000年からTV朝日系列で放送されている刑事ドラマ

水谷豊さん演じる主人公、杉下右京(すぎしたうきょう)とその相棒が主たる登場人物

杉下右京の相棒は変遷しており、歴代相棒は亀山薫→神戸尊→甲斐亨→冠城亘、今回のシーズン20から初代相棒の亀山薫が復活!!


相棒についてなら、1万文字語れます。ふんっ、ふふん。(鼻息です。)ただ、普通に相棒が好きだ〜って記事を会社のオウンドメディアで書くのもどうなの? と思ったので、今回は相棒の数ある名台詞のうちでも、「仕事に効く相棒」と題して、仕事で辛い時に見ると励まされる名言を紹介する記事に決めました。



私と『相棒』の出会い。

私が相棒を知ったのは、season7なので、今から13年ほど前になります。きっかけは、母の影響です。母が相棒を見ている時に同じ部屋にいて、ついつい見入ってしまい相棒の面白さに気づきました。その結果、season7は母以上に前のめりで視聴しました。相棒そのものにハマったので、過去の相棒を片っ端からレンタルし、全ての回を視聴しました。


ちなみに相棒という刑事ドラマがあることくらいは、もちろん予備知識として以前から知っていました。ただ、こう言うとめちゃくちゃ失礼なのですが、なんとなくおじさま、おばさまが見るドラマであるという決めつけがあったので、自分にとっては興味のないテレビだと思っていたのです。タイムマシーンがあったら、過去の偏見に満ちている私に会いに行き往復ビンタをして目を覚まさせて、それから相棒の面白さを延々と語り続けて洗脳したいくらいです。

相棒にハマってからというもの、1年のうち秋以降は、主に相棒を楽しく視聴することが私のライフスタイルとなりました。相棒を知った13年前といえば、ちょうど出産の時期とも重なります。私は13歳と9歳の男の子のママです。2009年に長男が生まれて、初めての慣れない育児に奮闘していた時期も、家で相棒を見ることで孤独を癒していました。ママ友が増えてきた時も相棒が好きと言ってるママ友とは問答不要で仲良くなれました。


息子が小さいときは、相棒視聴タイムの確保に必死でした。本当はリアルタイム視聴したい。けれど、相棒は夜の21時放送。ちょうど子どもの寝かしつけの時間と重なるのですよね。無念。仕方なく、録画して翌日見ていましたが、ここにも問題が。刑事ドラマですから、どうしても人が揉みあったり、人が死ぬシーンがある。小さな子どもの前では良くないだろうと思い、極力長男がいない時か、長男が明らかにテレビを見てなさそうなときを狙ってコソコソと視聴していました。でも、その努力も失敗に終わります。


ある日私は発見してしまったのです。息子がプラレールで遊んでいたとき、おもちゃの電車でレゴブロックの人形を轢いて、そのあと合掌している姿を。「何してるの?」と聞いたら「相棒ごっこ」と言うんです。人が亡くなった際のシーンで、刑事さんが合掌しますよね。そのシーンの真似なんだと思います。「うわ、やってしまった」と猛反省したほろ苦い記憶もあります。どうでもいい話をしすぎて、この先読んでもらえるのか心配になってきたので、私と相棒の思い出はこれくらいにしておきますが、つまり、そこまでしてでも見たくなるコンテンツであることを伝えたかったんです。



『相棒』の魅力は杉下右京にあり。

複数の脚本家による良質な脚本、その脚本には時流が反映されていることが多く、自分ごととして考えさせられることなど相棒の魅力はたくさんあります。

でもやっぱり一番はなんと言っても、主人公の杉下右京の魅力にあるでしょう。主人公の杉下右京の面白さがあってこそ相棒は成立します。右京さんの何がすごいか?

口癖は、「ちょっといいですか?」



博識で、なんでもできる男。

正義のためなら手段を選ばない姿勢、知性とユーモアのバランスなど魅力はたくさんあるのですが、詰まるところ杉下右京という人物の奇人変人ぶりが良いのだと思います。

右京さんの推理力洞察力がすごいことは言うまでもありませんが、右京さんは大抵のことはなんでも人並み以上にできてしまいます。多趣味であらゆることに精通しているんです。ウィキペディアに載ってるだけでもこんなにあります。

総じて手先が器用で、ピアノの演奏やリンゴの皮剥き、焼き物の成型などを行い、携帯メールや電卓の操作も滑らかにこなす他、ピッキングの技術も有している。また、剣道や護身術の心得があり、体格差のある相手や複数人相手でも難なく渡り合う。

分野を問わず様々な知識に精通している。数学、化学、物理学、哲学などの教養的学問や、英語をはじめとした複数の外国語、方言を解し、点字を読み、マジック、ワインに造詣が深く、アニメ 等の知識も有している。検視官の資格を有し、実際に検視を行ったこともある。記憶力も優れており、一瞬の内に電話番号やナンバープレートを記憶したり、事件の供述調書を諳んじたこともある。

ウィキペディアより一部引用

すごくないですか? 私の記憶では、確か手話もできたはずです。あと、上記の補足になりますが、例えばクイズで「円周率は151位が何であるか?」みたいな問題も3秒で回答し正解するくらいのやばい男です。


エリートからの左遷。

なんでもできちゃう上に刑事としても優秀である。ただ、出世に興味がなく組織での立ち回りが下手。それゆえ、本来はかなりのエリートなんですが、ある事件をきっかけに左遷扱いとなり、行き着いた先が「特命係」なのです。

特命係は「警視庁の陸の孤島」と呼ばれている。


右京さんの公式プロフィール
 ↓

警視庁特命係係長。
東京大学法学部を首席で卒業後国家公務員I種試験の合格を経てキャリアとして警察庁に入庁。3年間のスコットランドヤードの研修を経て、警視庁刑事部捜査第二課に出向、大物フィクサーの摘発に関わるなど辣腕をふるっていた。

ウィキペディアより一部引用

かつては捜査二課に所属し、警視庁内でもピカ一の敏腕刑事と言われた右京だったが、そのユニーク過ぎる人柄が災いし警視庁の中で孤立。自然、上層部との折り合いも悪くなり、ついに窓際へと追いやられてしまった…。その後、特命係には警視庁内で不要のらく印を押された人材がすでに6人送られてきたが、右京とそりが合わず皆警視庁を去っている。

相棒公式HPより一部引用

相棒が始まった直後はこんな風に言われていました「特命係の杉下右京は人材の墓場。下についた者はことごとく警視庁を去る」と。右京の奇人変人さに誰もついてこれなかったのかもしれません。そこに唯一ついてこれて相棒となったのが、初代相棒で、今年の秋から復活する亀山薫です。



奇人変人だからこそ、面白い。

右京さんは確かに個性的で、奇人変人の部類に入るでしょう。ただ、仕事への姿勢は真摯でプロフェッショナル。それに能力が高くて普通にすごいって思います。あと右京さんのキテレツな感じも私は好きなんです。生き物として面白いなと。見ているだけで楽しくなる。多分私はこういう人の観察が好きなんだと思います。

無類の紅茶好き、すごい高さから紅茶を注ぐのも今や名物。

ちなみに、私が仕事をする上でのミッションというかコンセプトは「経営者、クリエイターの翻訳者」です。(前田さん考案!)

経営者やクリエイターなどビジョンを描く人は発想力に優れてアイデア豊富です。しかし、発想が先進的すぎて、自分の脳内にあるビジョンをまわりに人に伝えるのが難しい時がある。「自分の言ってることが周りに伝わらない!!周りがついてこれない。なんで?」みたいな感じです。

NASUで言えば、前田さんがそれに相当します。私が相棒に惹かれるのは右京さんの人柄にあるのですが、仕事でも同じようなことが言えるのかもしれませんね。奇人変人(失礼!)へのリスペクトがあるからこそ、言語化など自分が得意なことで周りの人に伝えるサポートしたいのでしょう。これは、今回執筆していて気づきました。


仕事に効く『相棒』、辛い時はこれを観ろ。

さて、ずいぶん前置きが長くなりましたが、本題です。みなさんは仕事で辛い時に思い出すセリフやコンテンツはありますか? 私の場合、これからお話しする相棒のエピソードを毎回脳内で再生し、テンションをあげるようにしています。

※これらのセリフの素晴らしさを説明するためには、どうしてもネタバレを含みます。その点だけご了承ください。


私がおすすめする、仕事に効く相棒名台詞は、Season12(2014年放送)の「待ちぼうけ」の右京さんによるセリフです。



ざっくり解説するよ。

とある日、とある人里離れた田舎の駅で電車を待つ右京さん。次の電車は2時間後にしか来ない。同じ状況で、駅で出会った男性に話しかけます

実はこの男性は、前日に人を殺めました。その裏側を知れば、この男に同情したくなる事情はあるのですが、罪を犯していることには変わりはありません。それゆえ、この男性は自殺の名所である渓谷に向かう電車を待つためにこの駅にいたのです。


ひょんなことから、この殺人事件のことを知った右京さんは、犯行現場から犯人の自宅を突き止め、男のパソコンの検索履歴から、この男の向かう先である駅に向かいます。そこで偶然を装って男に話しかけ始めたのです。

男は最初は、右京さんが刑事であることに気づいていないので、身の上話を始め待ち時間でオセロを始めます。しかし、途中で刑事であることに気づきます。電車に乗って逃亡しようとする男と、自殺を思いとどまらせ、罪を償うように説得するところが名シーンなのです。ただただ綺麗事を言うのではなく、オセロを使って自殺を止めるよう説得を試みます。



「無様でも惨めでも、あきらめずにもがき続けろ」

オセロの勝負は、数回に渡ってなされていましたが、いずれも右京さんの圧勝でした。無理もありません。前述した通り、杉下右京はなんでもできる男なのです。この回でも「チェスはやりますが、オセロは…」と謙遜しておりましたが、オセロも普通に強かった。そんな状況を見て、男は言います。


「勝ち目のないゲームから降りるんです」と。


オセロと自らの人生を重ね合わせた発言です。この男は、母が背負った借金を返済するために25年真面目にコツコツと働き続け、完済しました。ようやく夢だった靴職人になった。かつて愛した女性に自分が作った靴を持ってプロポーズしようとしていた。そんな矢先に起こしてしまった事件でした。


右京さんのオセロを使った説得がはじまります。確かに盤面はほぼ黒。通常なら、どう考えても右京さんの勝ち。男が形勢を逆転することは難しいと誰でも思うでしょう。でもそこで諦めないのが杉下右京。男の白いオセロの駒を手に取り、こう言います。


「あなたはゲームを見切るのが早過ぎます」

右京さんは圧倒的に白が不利な状況の中、打ち手を考え黒の駒を白にひっくり返しつつ、こう続けます。


「大事なのは、どんなに絶望的な状況に思われても、投げ出さないことです。無様でも、みじめでも、あきらめずに、もがき続けることです。」


次々と白い駒にひっくり返し続けた結果。


「そうすれば、奇跡が起きることもあります」


のセリフの後には、まさかの白の駒で逆転されたオセロの盤面が!!!!

すごぉぉぉ。杉下右京すごすぎる。しかも、もう一つの物語の軸となっていた、長年の恋人から「あなたのことを待ち続けます」とのメールが届いていたことも判明。犯人の説得と恋人との復縁2つの軸が一気に解決します。いや、オセロにも逆転勝利してるから、3つの軸が解決している。この男天才すぎますね。


自殺しようとする容疑者の説得とオセロで逆転するという、いずれも圧倒的に困難なことを同時に成し遂げてしまうところがすごい。あと、オセロをひっくり返す様が、人生の比喩にも見えるんですよね。不本意で辛いことがあっても、投げ出さずに道を考え続ければ、奇跡は起きる。


私は仕事で苦しいな、辛いなと感じたら、脳内に右京さんに宿らせて、このシーンを再現して喝を入れてもらいます。


「大事なのは、どんなに絶望的な状況に思われても、投げ出さないことです。無様でも、みじめでも、あきらめずに、もがき続けることです」


あきらめずにもがき続けることで、この辛さをひっくり返そう。やるぞぉぉぉ!って気持ちになれます。もしも、仕事で辛いとき、諦めそうになったときは、相棒の「待ちぼうけ」を見てみることをおすすめします。本当に辛くて沈んでる時は、何も見なくていいと思うのですが、浮上するきっかけを掴みたいときにはもってこいです。


つまりは「ラブ&ガッツ」である。

今回、この記事を書いているうちにわかったのですが、右京さんの先ほどのセリフは、NASUにもつながる話です。会社のミッション・ビジョン・バリューなどには含まれていないのですが、代表の前田さんがよく発する言葉の一つに「ラブ&ガッツ」があります。NASUの採用基準の一つと言ってもいいのかもしれません。


「ラブ&ガッツ」とは「愛と根性を持てるか?」言葉の通りなのですが、NASUで楽しく働くにはどっちも伴っていることが大事だからです。ただ好きなだけでは力を発揮できません。それから、ただがむしゃらに頑張るだけでもだめ、愛がないと。私なりの解釈をすると「愛を持って異常なくらいに根性があって行動できる人」ではないのかなと思います。





NASUはデザイン会社ですが、デザインだけが仕事ではありません。コミュニティやイベントなど、コンテンツの魅力をデザインを起点にして最大化する会社です。それゆえ、デザインだけを作りたい人はNASUには向かないでしょう。面白いことや人が好きな人、新しいことややったことがないことにも楽しんでチャレンジできる人が向いてます。それに必要なのがラブアンドガッツです。


さて、先程ご紹介した相棒のセリフですが、「ラブ&ガッツ」につながると思うんです。自分の人生で不運や不本意なことはあった。でも投げ出したり諦めてしまってはおしまいなんですよね。もがき続けないと奇跡は起きない。


しんどいときこそがんばりどき。デザインやものづくりは大変ですししんどいです。というかどの仕事もそうではないでしょうか? それを諦めてしまってはいいものにならないし。ただただ耐えて頑張るのではなく、愛を持って楽しんで頑張れる人が強である。辛くなってきてからが本番です。ラブ&ガッツ精神で頑張りましょう。(この記事の執筆に大幅に時間がかかった自分にも言い聞かせている!)



ちなみに、NASUでは、デザイナー、Webディレクター、ライティングと経理サポートができる人を募集しております。ラブアンドガッツに溢れたあなたの応募をおまちしております。募集ページが近日中に公開されますが、お問い合わせからでもひとまず募集しております。