NASU代表 前田高志がコンサルティング対談をおこない、その様子を記事にする企画「NASU CREATOR’S DIRECTION」9回目となります。


前田デザイン室で制作した小説『負けるデザイン』のクラウドファンディングに渡辺炎如(かい)さん(以下カイさん)が支援してくれたことにより今回の対談が開催されました。

カイさんは前田デザイン室のメンバーとして、小説『負けるデザイン』やデザイン必殺技を学べるカードゲーム『Desig-win』のクラウドファンディングにてプロモーション動画を制作し、プロジェクトを成功に導きました。このクリエイターコンサルのために、岩手から駆けつけてくれたカイさん。クリエイターコンサル史上一番大人な、ガチコンサルがはじまります。


渡辺炎如(カイ)

1982年生まれ、岩手県滝沢市出身。前田デザイン室28期。岩手県滝沢市を中心に父親が経営している有限会社哲学堂 専務取締役として、広告関係のデザイン、動画制作、Webデザインなど幅広く活躍。最近はサウナと二人の子供を溺愛している。

カイさんのポートフォリオはこちらから。



勝ってる度が低いから、勝ちたいんです!

前田:今日は、岩手から来てくれたんだよね。ありがとうございます!


カイ:はい、前田さんのコンサルを受けるのを楽しみにしてきました。


前田:そもそも、何でコンサルを受けようと思ったの? 悩みがない場合は、即座に終わっちゃうよ。


カイ:ええっ……!


前田:クリエイターコンサルも随分と回を重ねてきたからさぁ、本当に一瞬で終わる回があってもいいと思うんだよね。どう?


カイ:いやいや、僕、このために岩手から来たので(苦笑)。

あと、困りごとはあります!前田さんの本『勝てるデザイン』には、年表がついてますよね。僕の人生の年表の折れ線グラフでいうと、今は勝ってる度合いが結構低い位置なんです。


前田:え〜!? 意外。

カイどうしたら今の仕事でもっと利益を出していけるかで悩んでいるからです。

前田:なるほど。すごく現実的な話ですね。ちなみにカイくんは、確かお父さんが経営されているデザイン会社で働いていると思うんだけど、事業を継承する話は具体的に動いているの?

カイ:はい、そうですね。

前田:利益を出していくというのは、具体的にどのくらいを目指すってことかな?


カイ:はい。金額的な規模で言うと、自分の両親、妻と子ども、それから今一緒に働いてくれている 2 人の社員たちと、その家族が困らないくらの利益をあげたいです。

前田:なるほど。これ本当のコンサルだよね。クリエイターコンサル始まって以来のガチなコンサルだ。頑張ってやってみます。ええと……、じゃあさ、今、仕事はどこから来てる感じですか?

カイ:件数で言うと、企業や団体さんから直接の依頼が 5 割、広告代理店さんが 1割、地元の市役所からの行政案件が 4 割。不定期ではありますが全体の 50% くらいがリピートしていただくお客様です。

前田:そうなんだ、いいね。案件ごとの単価は高い方?

カイ:うーん、いろいろですね。その行政の仕事は、人材育成の取り組みでイベント運営などいろいろ込みで、毎年一千万円ちょっとの規模感になります。

前田:そのイベントでこれだけの利益が出るなら、いい傾向だね。

カイ:はい。すごくありがたい仕事なのです。ただ、外部の企業さんに協力いただきながらやっている部分もけっこうあるので、自社の利益として残る金額はそこまで多くはないんです。


前田:なるほどね。毎月、年間で安定した収入を増やしたいってことよね?

カイ:はい、定期的な案件があれば、安心感がありますね。


前田:そういう会社を増やしたいね。でも、増やしすぎるとしんどくなるしなぁ。あとは単発?


カイ:はい、単発が多いですね。


思想・価値観で繋がるお金持ちを探せ!

前田:ちなみに今具体的にどれぐらい増やしたい? 今年の売上は?

カイ:粗利でいうと……、
(生々しい数字の話が多いので、割愛します。)

前田:なるほどね。社員は今何人?

カイ:今2人です。役員2人、社長と僕を含めて計4人です。

前田:そうすると、一人あたりの売り上げでどれくらい必要になるかだよね。一人当たり、◯○円くらいは必要になるってこと?
(再び生々しい数字の話が多いので、金額は割愛。)


カイ:そうなりますかね。キャッシュフローがやばいときも正直何度もありました。

前田:それはヒヤヒヤするね。仕事は、岩手県がほとんど?

カイ:そうですね。県外のお客様もたまにありますが、大体が岩手県内です。

前田:なるほど。岩手県でお金持ちって、どこにいるんだろう……。


カイ:お金持ちって…(笑)!!
そういう発想は、ありませんでした。

前田:そうなの? 僕は、そんなことばっかり考えてるよ(笑)。どうしたらお金持ちで、かつデザインに力を入れたい人と出逢えるだろうって。そこはやっぱり僕も経営者だから。岩手県の富裕層が集まる場所とかってあるの?

カイ:うーん、知ってる限りいないですね。

前田:1人でもいたらいいんだけどなぁ。そしたら、その1人を起点に知り合いの和が広がるはずだから。例えば、あるところにフェラーリ仲間が集まり繋がるバーがあったら、フェラーリ持ってる人と繋がれるよね。

カイ:なるほど。

前田:まぁ今のはあくまで例え話で、フェラーリじゃなくてもいいけど、何かしらの共通言語。僕は本を出したり、noteを書いたり、ツイートしたりなど絶え間なく発信してて。そこで引っ掛かってくれた人がいると本当に楽しいし、思想、価値観で繋がった人で、お金持ちなら一番最強だからね。ちなみにカイ君は、今何歳?

カイ:今年、41歳になります。

前田:僕が41歳の時って、箕輪編集室でバリバリデザインして、ちょうど前田デザイン室を始めたときだなぁ。僕で言ったら、箕輪編集室での活動は、ロータリークラブみたいなものだったんだよね。お金持ちかどうかはわからないけど、箕輪編集室での行動が、結果的に僕のことを知ってくれる人が増えたから。そんな感じで環境を変えていくとかどう?

カイ:32歳の時に地元の商工会に入ったんです。その時は地元の中小企業の経営者さんと知り合えたり、地元の行政職員さんと知り合えたりで、繋がりが増えて新しいお仕事の相談をいただく機会が一気に増えました。

ただ依頼を受けすぎて、納期に間に合わず、何回か申し訳ないくらいの信用を失うことがありました。高い金額を提示することにも恐怖心があって、安請け合いで仕事量ばかりが増え、維持できる状態ではなかったなと思いました。


前田:単価が低くて案件数が多いってことだよね。今もその状態なの?

カイ:そうですね。


単価を上げることと、付き合いの両立のコツは〇〇仕事にあり。

前田:じゃあ課題は単価を上げるってことだな。今までのお客様に “○○から単価を上げます”、“今受けられるのはこれぐらいです”と一斉メールしてみたらどう? そしたら、駆け込みで仕事が来るかもしれない。


カイ:なるほど。前田さんも低い単価からはじめたんですか?


前田:うん。僕、独立して最初は、ロゴ1案件あたり、3万5000円だったよ。


カイ:安すぎますよね!


前田:だよね。そこから徐々に値上げしていった感じ。全部をPRにするといいよ。「ロゴの依頼が来すぎました!安すぎて値付け失敗した〜!」とか「安すぎたから値上げします!」とかね。これはまぁ、僕の性格もあるし、得意なことだから苦なくできちゃうんだけど。

カイ:単価は、ぜひ上げたいです。ただ、今現在いろいろ仕事を頼まれて、お待たせしてしまっている状態が続いてて。このサイクルを絶たないと単価を上げるともいえないなぁと。

前田:それは良くないね。じゃあ新規から話したらどう? 今までの人は今までの値段で、新規のご依頼・案件・新規のお客様はこの値段でって言う。そうすると、なぜ値段を上げるのかの理由と、上げたらどうなるかを説明する必要が出てくる。


カイ:じゃあ例えば、100万円のロゴデザインの仕事があったとして、企業はどこに100万円以上の価値を期待していると前田さんは思いますか?


前田:うちで言えば、形だけ作っていないところかな。NASUは、クリエイティブコンセプトから作ってます。ロゴの形は、むしろどうでもいいといったら語弊があるけど、形はコンセプトに照らし合わせて生まれた形にすぎないと思ってて。


カイ:コンセプトが決まった瞬間って、ものづくりが進む確信みたいなのが大きいですか?

前田:うん、大きいよ。それはクライアントさんも感じてくれてるんじゃないかな。納得感というか。

だって、そのコンセプトがあれば、今後クリエイティブで迷いが生じたときの全ての判断軸ができるから。それってかなりコストを削減してると思う。だから、そういうことが分かる経営者が依頼してくれてます。


カイ:すごく理想的ですね。


前田:ただ、クリエイティブコンセプトを決めるためには、1ヶ月かけてヒアリングとコンセプトワークをやってて。そこからようやくロゴ制作に入る。これも複数案出して、方向性が決まってからも異常な数の検証をしてる。

だから、今NASUではロゴデザインを120万円で受けてるけど、労力を考えると、正直割にあってないんだよね。そろそろ価格を上げようと思っています。

単価をあげたらお客さんが変わるので。最初安い値段をやってるとやっぱり安いお客さんが来る。価値を感じてくれる人と仕事をする方がいいと思う。

カイ:それで言うと、今やっている仕事の多くは、見た目の部分を作るという意味合いのものが多いですね。名刺作ります、チラシ作ります、ポスター作りますっていう感じになっています。

そこを求めてくれて依頼が来るのは悪くありませんが、名刺づくりのデザイン 2~3 万円の案件で、デザインを何案も出して日数をかけると……。


前田:全然割に合わないよね。チラシは、単価安いもんね。ただ、めちゃくちゃデザイン力がつくから、若手の教育として仕事を受けるのはいいと思う。「グラフィックデザイナーの基礎はA4チラシにあり」って話を常々してるくらいだから。とはいえ、A4チラシを数万とかで受注してたら正直割にあわないよね。

カイ:厳しいですね。そこを変えようとすると付き合うお客様を変えていかないといけないのかなと感じたりします。ただ、それでいうとちょっとモヤモヤするところがあって。

カイ:僕としては、地元の滝沢市にデザインで貢献したいって気持ちが強いんです。でも地元の企業さんの多くは、大企業ではなく中小企業なので規模的には決して大きくはありません。その人たちに今お話ししたような「うちはコンセプトから作るから…」という話をして高額な費用を求めるっていうのは、適していない印象があります。

高額な費用を払ってくれる人とは付き合うけど、そうじゃない人はお付き合いしないという感じになってしまわないかなと。

前田:うんうん。じゃあ逆にそういう人には無料でデザインする方がいいと思う。

カイ:お~〜〜〜!!無料ですか!!

前田:そう。僕だったら“タダでデザインします”そのかわり

・チャレンジングなデザインにさせてください
・このデザインの制作過程をPRさせてください
・お任せでデザインさせてください

は、必ず言いますね。

そういう条件でお仕事を受けた人は、お金以上の価値でリターンしてくれるし、価値も分かっているから絶対返してくれます。それに、お任せで提案できると思ったら、チャレンジングなことができるからね、楽しいですよ。


カイ:1,2万円でも払ってもらうんじゃなくて、ちゃんとタダに振り切った方がいいですよね?

前田:そう。当然儲けにならないから会社としてというより、僕が一人で受けることが多いかな。

カイ:なるほど、すごいです。そういうタダにする・しないの物差しは何ですか?


前田:自分が手を動かすから、自分が作りたいって思えること。サービスや事業がいいなぁってピュアな気持ちで思えたものがいいね。


カイ:ありがとうございます。今日お話しさせてもらって、まだまだできてないことがたくさんあるなと感じました。

前田さんのところは、価格に対する価値がはっきりしてるから、しっかりと対価を払ってでも一緒に仕事をしたいと思われてるのだと改めて感じました。


そういう要素を僕の中にも作っていこうって欲が湧いてきました。クオリティがいいだけじゃ全然ダメで、むしろそこだけだったら、もっと上の人がいますもんね。



前田:よかった!ガチなコンサルなんとかできたかな。ただ、今日の話って記事としてまとまる? 会社の売り上げとか真面目な話が多かったから、撮れ高が気になってきた。変顔は、足りてる?

一同爆笑


前田:いや、変顔というかエンタメ的なことを話してないよね。会社の話はしたから、カイくんとしてのパーソナルな部分もコンサルしようか。

そうだな。あ、カイくんってさ、名前に「炎」って漢字が入ってるよね。あれっぽい。鬼滅の刃…のなんだっけ、あ、そう煉獄さんだ。煉獄さんみたいな感じにするのはどう?


カイ:毎回煉獄さんみたいなハッピを着る感じですかね(笑)。


前田:そう!炎をイメージして、髪の毛も真っ赤にして……。


カイ:考えたことなかったです……!


前田:ああ、いいねぇ。うん、それで行こう。

以上です。

カイ:以上(笑)!?


炎の如く熱を起こして、お客様をいい方向に働かせたい


カイ:そうだ。名前の話で言えば、父から会社を引き継いだら、社名を変えたいなと思っています。

前田:今の社名は、哲学堂でしたっけ? デザイン会社で、哲学って言葉を入れるのはすごいね。

カイ:はい。ただ、宗教団体やお寺系というイメージを持たれることもたまにあったりするので、イメージのミスマッチは起きやすいです。

前田:マーケティングには、あまり良くないね。

カイ:父親に由来を聞いたら、友達とノリでその名前にしたと聞きました。でも、僕はデザインって本質を突き詰めて考えるから、すごく哲学的なものだと思います。

前田:わかる。アートディレクターの佐藤可士和さんが、デザインの仕事で一番最初にやることは哲学となる言葉を見つけることらしいよ。コピーライターと組んで最初にそれをやるみたい。

カイ:そうなんですね。とはいえ、社名が凄くしっくり来ているかというとちょっと違うなーという気がしているので、継ぐときは社名を変えたいなって思っています。

実は名前も決めていて、変えるなら「ホムラ(炎)デザイン」にしたいです。僕の名前「炎如(かい)」は、父がつけてくれてました。小学生時代は、名前を正しく読んでもらえなかったことがあって、好きじゃなかったんですけどね。でも、今は炎の文字があることで覚えてもらえるので、嫌ではないです。

前田:お父さんは、何で名前に「炎」をつけたの?

カイ:「炎の如く強い男になってほしい」と願って付けたと言っていました。

前田:へぇ〜。

カイ:僕自身も、名前の通り「炎の如く強い男になろう!」と思ったときもあったのですが、結果、違和感を感じて。今はむしろ自分が炎を付ける側になりたいです。

作るデザインで相手の心に炎をつけて現象を起こすみたいなことをやりたいんです。

前田:それメチャクチャいいね。

佐藤可士和さんの話に戻るけど、僕が思う彼の一番すごい作品は「株式会社サムライ」という社名です。佐藤可士和の「士」からきてるんだけどね。

彼がする仕事は、全部切れ味が良くて、侍がやるような刀で切ったようなロゴなんだよね。それって名前と仕事とリンクしているよね。

カイ君が作る動画とかまさにそう。人の心に炎をつけるというか、パッと勢いが増すから、その辺を目指すのがいいと思う。

カイ:確かに前田デザイン室のプロジェクト『負けるデザイン』で動画を作った時は、自分で言うとおこがましいですが、動画をきっかけにクラファンの支援者さんが一気に増えた実感があったので、見てくれた人の気持ちに火をつけて現象を起こせたなと思いました。

前田:あれはすごかった。あの動画から、負けるデザインのクラウドファンディングの勢いがいっきに増したから。

動画でちゃんとグラフィックデザイン、ビジュアルコミュニケーションできている人はあまり見たことない。ほとんど説明せずに「何を伝えるべきか」というところを汲み取ってくれて、負けるデザイン、Desig-winもそうだけど、ビジュアルコミュニケーションをやっているよね。動画一筋で3年やってみるのもいいかもしれないね。


そんな風に人の心に炎をつけるような動画を作る第一人者となれば、仕事が増えてくるはず。もちろん動画じゃなくても普通にグラフィックデザインしてもいいと思うよ。とにかくいいアウトプットをしまくること。それがPRにつながる。これを3年くらいやりまくる。

そして、僕が44歳で勝てるデザインを出版したように、仕事の発信を毎回行い書籍を出したらいいんじゃないかな。

カイ:出版ですか……。


前田:前田デザイン室での活動をnoteにまとめるなどマメな発信は大事だね。発信は苦手?

カイ:得意とは言えないです。あと、お仕事で待たせてしまっているお客様がいるなかで、書いている場合ではないと自分で思ってしまうし、お客様もその発信を見たらきっとそう思うだろうし……。

前田:なるほどね。でも、それが待たせていてもいい企画になればいいと思うよ。

僕なんて、LINE公式アカウントをやっていて、返信しただけでめっちゃ喜ばれるよ。ただ、「前田さん、忙しいから絶対に仕事を受けてくれなさそう」と言われて、仕事を見送ってそうな人もいる。それは機会損失だからダメだなと思うけど。

でも、もし遅れたくらいで離れる人ならば、全員過去の人だと思えばいいよ。

カイ:それはすごい!僕は、なかなかそうは思えないですね……。

前田:だって、他にも付き合う人がいるからね。カイくん、めっちゃいい人だね。でも、もうちょっと経営者としてしたたかにならないといけないので、それは苦しいね。もちろんお客さんを大事にする姿勢はいいところだと思うよ。

カイ:そうですね。自分がちゃんと終わらせればこうならなかったので、自分のせいですね。

前田:抱え込みやすい?

カイ:抱え込みやすく、人に頼めないタイプですね。あと、人に頼まれると断れないですね。

前田:危ないね。

カイ:話は変わりますが、後輩デザイナーにお願いして、出てきたものに修正指示を伝えるのも辛いんです。自分で手を加えてしまうこともあったりして、それこそ取り上げたようになって余計辛いです。かといって反対に、後輩デザイナーを信じて自分的には納得いかないままにするのも嫌で……。

前田:うんうん、自分が納得してなかったら、絶対にクライアントに持っていかない?

カイ:持って行きたくないですね……。

前田:それは僕も同じだよ。だから「期日よりもっと早く出してほしい」って社内でいつも言ってる。

カイ:前田さんもそうでしたか。でも最近は後輩デザイナーもメキメキ腕を上げていて、すごく頑張ってくれています。

前田:いいじゃない。

カイ:はい。育成に関しても、色々迷いながらやっています。いやぁ、今日のコンサルで、明日からやることが明確になってきました。


前田:よかった。まとまった。それにしても、相手の心に炎をつけるっていうのは、僕が発言したことになりませんか? 悔しい。


ーーー(撮影の浜田)えっ?いやいやいや……(笑)。


前田:やっぱり、コンサルだからさぁ。僕からその話ができたらよかったなぁ。


カイ:(笑)。
あ、でも名前の話に持っていってくれたのは前田さんですし、屋号の話をしたらそれをいいじゃんって言ってくれたのは嬉しかったですよ。


前田:うん、めちゃくちゃいい名前ですよ。佐藤可士和さんと同じぐらいの良さ。


カイ:嬉しいです。これから僕が全部出るものは「心に炎がつくか、つかないか」っていう物差しで見ていきます。つかないものは仕事として価値がないという気持ちで。


前田:それいいね。若い子のデザイン見てても、心に炎が付かなかったら、やっぱやりなおしてもらわないといけない。人の心だけじゃなくて、自分の心に炎がつくかって基準にもなるね。


カイ:いいですね。その基準があると行動や判断がに芯が通るし、それが結果に繋がって行きそうだし。迷いがあったんですよね。後輩のデザインを診るときも好み基準の話になるときがあり、確固たる芯があってのフィードバックができなかったりして。自分でも迷いがあるから検証するためにデザインデータを取り上げてしまうこともあって。でもそれって違うよなって思いながら。


前田:「俺の火が付くまでデザイン出してこい!」って言ってみたら? いや、違うな。何も喋らずに、ロウソクを手に持ってさ。だめだったらこうしてみたら?(ロウソクの炎をふきけすジェスチャー)。

カイ:それは(笑)。
でもその考え方は、いいですね。


前田:でしょ? カイくんの心にも炎ががついた?

カイ:完全につきました。今まで、いい人でいたいという気持ちが強すぎで、当たり障りない言葉や態度になりがちでした。それでは炎をつけるための芯すらない状態なんだなって。芯があるからこそ炎もつくよなって。


前田:どんないい人でも嫌われるものだから。もしかしたら、いい人なカイ君が嫌いだっていう人が現れるかもしれない。それならば、気にしない方がいいよ。生きていたら、絶対誰か嫌う人は現れるから。その分好きになる人を増やす方がいいと思う。

カイ:はい、今日が自分の中で大きな転機になりそうです。ありがとうございました!

心に炎をつけるポーズ! 




このコンサル直後に前田さんが今日の話を踏まえたVoicyを収録されています。こちらから、ぜひ聞いてみてください。

前々から思ってたけど、名前と仕事をリンクさせると良い仕事できるかも。







<聞き手=前田高志/執筆=黒羽大河/編集・撮影:浜田綾/バナーデザイン・レタッチ=小野幸裕