NASU代表 前田高志がコンサルティング対談をおこない、その様子を記事にする企画「NASU CREATOR’S DIRECTION」8回目となります。

前田デザイン室で制作した小説『負けるデザイン』のクラウドファンディングに梅川大地さん(以下うめちゃん)が支援してくれたことにより今回の対談が開催されました。

うめちゃんはデザイナーとして働く傍ら、前田デザイン室には8か月ほど在籍。書籍鬼フィードバックではうめちゃんが作成したポスターを前田さんがフィードバックした記事が掲載、粗ドットダウンロードサイトDOTOWN(ドッタウン)ではアートディレクターとしてたくさん活躍されました。


梅川大地(うめちゃん)

日本デザイナー学院を卒業後、デザイン会社に勤務。その後障害福祉の仕事を経て現在は義父の会社を手伝う傍らフリーランスのデザイナーとして活動している。



佐藤可士和のデザインのCDジャケットで価値観が変わる

前田:クリエイターコンサル自体が久々過ぎて…趣旨はなんだっけ?「うめちゃんはクリエイターとしてもっとこうしたらいいよ」みたいな話だよね?


梅川:クリエイターの方だけじゃなく、いろんな方いらっしゃいましたよね。


前田:普通に今のままでいいんじゃない?センスあるし。


梅川:おしまい?(笑)


前田:このすぐ終わるパターン。何度かやってるのよね。


梅川:見てると、「はやっ」ってパターンありますよね。

前田:いつもそうなのよ。今のままでいいんじゃないっていう人結構多くて。じゃあ…そもそも何でこの負けるデザインのクラファンでコンサルリターンを支援してくれたの?これそんな安いもんじゃないでしょ。これいくらだっけ?


梅川:10万円です。


前田:マジか!!!ありがとうございます!!!バリュー出しまくります。10万ってなかなかの金額だね。


梅川:そうですね。今考えたら……、


前田:今考えたら「しまったな」と思ってる?


梅川:いや、今考えるとそんな立場じゃなかったかなって思っていて。


前田:立場って?


梅川:立場っていうか、身分不相応な事しちゃったかなって思ったりしました。


前田:そんなこと全然ないと思うけど。何を求めて10万円支援してくれたの?


梅川:そうですね。その時はデザインの仕事を増やしたいなってすごい思っていたんですよね。うちの会社はかなりDTP寄りで、「こういうのを作って」って言われてそのまま作る感じなんですよ。もう少しちゃんと最初から考えてデザインする仕事をしたいなと感じていて、そしたらどうしたらいいのかなって思って。


前田:多分今までのクリエイターコンサル受けてくれた人は、みんな今でも名刺代わりとして記事を使ってると思う。みんな何かしらクリエイターコンサルで一応その後の道が定まったり、いい感じになってると思ってます。記事は一生消しませんので!

前田:そもそもうめちゃんってどんな人なのかなって話をした方がいいと思う。僕はなんとなく知ってるけど。なんとなく情報で言うと、ちゃんとデザイン会社には勤めたことはないけど…


梅川:ちょっとだけあるんですよね。1年ちょいくらい。


前田:それ聞いたことある。それは何歳ぐらいの時?


梅川:25歳くらいの時に専門学校行ってデザイナーになって……、ですね。


前田:専門学校は高校卒業してすぐ?


梅川:いや、高校卒業して大学行ってるんですよ。大学で普通に就活してた時に、佐藤可士和さんのCDジャケット見て。


前田:何のCDジャケット?


梅川:SMAPですね。


前田:あの3色のやつ?

出展:KASHIWA SATO
SMAPデビュー10周年キャンペーン

梅川:はい。


前田:あれ、いいよね。分かるわ。うめちゃん今何歳?


梅川:今38歳です。


前田:なるほど。じゃ、同い年くらいだね。


梅川:おない…どし…(笑)。(前田さんは45歳です。)


前田:あのCDジャケットは、すごかったね。


梅川:価値観を変えられた経験でしたね。

前田:それ見てグラフィックデザイナーって仕事があるんだと思ったの?


梅川:いや、僕、そもそもデザイナーって仕事があることも知らなかったんですよ。ジャニーズの事務所の人か誰かが作ってるんだろうってくらいに思ってたんです。それが、そういう職業があるんだって気づいたのが大学生の時ですね。3年の後半で就活始めるっていう時かな。


前田:それで、卒業してから専門学校に行こうって思ったの?


梅川:そうですね。就活で広告代理店とか受けてみようかなと思ったんですけど、結構下のレベルの大学だったので書類であっさり落とされちゃうんですよね。それにどっちかっていうと作る側をやりたいと思ったので。だから無理してでも専門学校に行こうって。


前田:親に大反対された?


梅川:大反対ですね。土下座しました。でも、「自分のお金で行くなら勝手にしろ」って。


前田:安くはないでしょ。


梅川:安くはなかったですね。


前田:でもまあその分覚悟が違うよね。で、2年間勉強して。デザイン会社はどんなデザイン会社だった?過酷?


梅川:新聞の折り込みのチラシを作ってる会社だったんですが、過酷は過酷でしたね。徹夜は当たり前で。


前田:それが何年?


梅川:1 年半で潰れちゃったんですよね。


前田:会社が潰れちゃったん?


梅川:僕が潰れちゃって(苦笑)

前田:それは辛い。徹夜が当たり前だったらそりゃ潰れるよ。で、そっから辞めてどうなったの?


梅川:鬱病になっちゃったので休んで。そして、ふとしたきっかけで障害福祉の仕事をしました。


前田:それはデザインとは関係なく?


梅川:全然関係ないんですけど、元々福祉のサービスを受ける側だったのが、Wordを使ってチラシを作るような作業があったので、やってみたら「この人すごいんじゃないか」みたいに思われて。で、この人雇おうみたいになって、施設に雇っていただきました。


前田:それが30歳?


梅川:31歳とかじゃないかな。


前田:31歳までに5年くらい?で、次はどうなったの?


梅川:福祉の仕事をしていたのですが、5年くらいでやめて。しばらくちょっとフリーで仕事したりとか今の会社の手伝いしたりとかのらりくらりとしていました。


前田:それでフリーの時に前田デザインに出会って…って事?


梅川:そうですね。


前田:そうなんだ。で、今は奥さんの会社で働いているんだっけ?


梅川:はい。奥さんのお父さんが亡くなっちゃったので。その会社がDTPで。


前田:それも偶然だね。


梅川:そうですね。なんでなんだろうっていうくらい偶然なんですよね。


前田:お父さんがデザイナーだったってこと?


梅川:デザイナーっていうよりはIllustratorを使って決まったものを作るみたいな、DTPオペレーターみたいな感じで。


前田:なるほどね。それを奥さんの弟さんと一緒に会社でやっていこうみたいな話なんだね。


梅川:一緒に会社やっていこうって話になってたんですけど、実はその話が全然進んでないです。それで今に至る感じです。


前田さんも認める、うめちゃんのデザインセンス

前田:なるほどね。うめちゃんて僕は最初からデザインセンスいいなって思ってたし、多分好きなもののツボが近い気がしてて。20代のデザイン会社の時からそういう感覚持ってた?


梅川:そうですね。好きなものっていうのは結構決まってた感じがありますね。前田さんは好きなデザインのツボを「トイチック」って仰ってるじゃないですか。僕もおもちゃっぽいものが好きで。コロコロしたものとかに反応するんですけど。


前田:分かる。うめちゃんの作ったやつ、「これが作ったのかな?」って言ってしまいそうになる時がある


梅川:だから、DOTOWNの粗ドットとか本当にツボでしたね。めっちゃいいなと思って。


前田:それ、嬉しい。うめちゃん自身はさ、個人として出ていくのがありな人なのか、裏方でいたい人なのかな?


梅川:と、言いますと?


前田:デザイナーって2種類いるでしょ。裏方に徹したいみたいな。出たくないっていうか。どっちなのかな?


梅川:多分本質的な本性でいうとすごく目立ちたがりです。


前田:へーそうなの?


梅川:それを出しちゃうと人に嫌われるからやらないだけで。高校生の文化祭の時に全校生徒の前で踊ったりとか。


前田:じゃあもう完全に出たい人なんだね。このコンサルリターンも出るから、そりゃ嫌だったら出ないもんね。


梅川:確かにその通りですね。


前田:このリターンを支援してくれたのは…新しい会社の事業だけど、今止まってるのはなんで?


梅川:僕が若い時に鬱病になったのがきっかけで体調が相当不安定で。すごい波が出ちゃうんです。それでよく「うめちゃん体調どうなの?」って弟さんに言われてしまって。


前田:弟さんはもう引き継いでるの?


梅川:いやまだ普通に仕事されてて。僕はホームページとかこそこそ作って準備してて。


前田:その会社のね。ロゴとか全部作ってやればいいのに。ホームページ今見れるの?


梅川:見れます。

前田:かわいい。


梅川:とりあえず仮でロゴ作って。


前田:アート写真製版所っていうの?

うめちゃんが制作した会社のホームページ

梅川:奥さんのおじいちゃんの代からある会社で。元々製版業をやってて。


前田:このサイトはどうやって作ってんの?


梅川:原始的にHTMLとかCSSとか使って。


前田:コードも自分で書いて?


梅川:そうですね。


前田:コツコツするのができる人だね


梅川:そうですね。割と地道なのは苦にならないんですよね。制作物半分前デのものなんですよ。


前田:前デでめっちゃデザイン作ってるね。こういうDesig-win(デザウィン、前田デザイン室で作ったカードゲーム)のポスターとかすごい細かいよね。僕ならキーってなるのにうめちゃんは作れるんだ。すごいな。

Desig-winのリターンのポスター

梅川:スーパーのチラシとかがひたすら情報詰め込むみたいな仕事だったから、ある意味耐性はついたのかもしれないです。


前田:こういうのうめちゃんぽいよね。こんなのめっちゃ大変だよね。これ。

DOTOWNのバナー

前田:これの神戸阪急のポスター最近Twitterで見た。これイラストも描いたの?


梅川:これ発注する時間が全然なくてやりましたね。
なぜか関西の方から声をかけていただいて、これも前田デザイン室のおかげなんですよ。DOTOWN関連のツイートをしていたら「梅川さんなら面白いことができそうだ」って声かけていただいて。

神戸阪急様での催しのフライヤー

前田:それ、嬉しい。バランス感覚だね。バランスと色彩感覚がいいんだろうな。


梅川:多分色彩は得意な方だと思います。


前田:これも自分で描いたの?

一般社団法人ラフレックス様のポスター

梅川:これはほとんどそうですね。一部フリー素材使ったんですけど。


前田:すごいな


梅川:結構めんどくさかったですね。


前田:めんどくさいよね。1人でやってんの?


梅川:はい。


右腕を探してアートディレクター

前田:体調悪くなるってどんな感じで悪くなるの?


梅川:うつ症状なので体が動かなくなっちゃうんですよ。


前田:布団から出られないみたいな?


梅川:もう本当そんなレベルで。


前田:あんなハードなことやってんのに急にしんどくなるんだ?


梅川:そうですね。


前田:やってる時は気づかないの?


梅川:楽しいんですよ。やってる時は変にテンション上がって。

前田:それが終わったらホッとして?


梅川:糸がどっかで途切れるときがあって。それも結構悩みで。やりたいのにある程度で自分のペースでできるようにやっていかなきゃなって思ってて。


前田:ディレクターみたいな感じの働き方したことないの?


梅川:ないですね。


前田:やってみるのもいいかもね。僕は今週初めてパソコンを仕事場に持って行かないっていうのやった。そういうのとかやってみるといいかもね。


梅川:確かに。ずっとパソコンに向かってばっかりです。


前田:手を動かすのが好きっていうのもあるかもしれないけど。


梅川:はい。そうですね。


前田:で、どうなりたいの?うめちゃん自身は。


梅川:こんな体調なんですけど、やっぱりデザインの仕事をやっていきたいというのもあるし。障害福祉分野でやってきたのもあって、障害の世界を知ってもらうのってすごい重くて真面目すぎるので、そういうのをふわっと軽くできるような仕事もしていきたいなとか。ある意味、その障害の世界を知っているのが強みになればなとは思ってて。

前田:確かに障害福祉の世界でうめちゃんみたいなデザインやっていくのはあんまり他にいないし、いいと思う。で、この会社としてそれをやっていくってこと?


梅川:いや、それは個人としてって感じになっちゃいますけど。


前田:そうなんだね。デザインが好きだからデザインの仕事をやっていきたい。


梅川:はい、やっていきたいですね。やっていきたいけど、この体調はどうなのよみたいなのが悩みで。


前田:体調はちょっといろんな働き方をしてみるといいかもね。さっき言った、自分のツボみたいなのを分かってくれる右腕みたいなデザイナーを見つけるとか。


梅川:なるほど。その発想は全然なかったですね。


前田:本当?


梅川:なかったです。自分でやるって思ってました。


前田:いや、そのうめちゃんイズムみたいなのを出して、アシスタントみたいな人を見つけて、自分のツボに近い人と一緒に仕事してみるっていうのはいいと思うな。最初はちょっと合わなくて自分で手を動かしちゃうかもしれないけど、それでもいいんだよ。で、ある程度関係性が向こうも段々分かってくるし。やっぱりディレクターになるのがいいんじゃない?アートディレクター。だって佐藤可士和だってアートディレクターだからね


梅川:確かにそうですね。


前田:アートディレクターになるっていうのは、原点でしょ。うめちゃんにとってはいいんじゃない?


梅川:想定外でした。


前田:本当に?


梅川:自分はそういうことをやらないんだろうなって勝手に決めてましたね。 あんまりチームワークとか得意な方ではないので。

前田:得意じゃないみたいな感じはしないけどな。前デで見てても相手のことをちゃんと考えられて優しい感じがするからね。僕自身もNASUのメンバーを入れて、自分でやってただけの時よりクオリティが圧倒的に上がった。最初は下がると思ってたんだけど。自分の血が入ってないみたいな、薄まるんじゃないかって。でも、一緒の仕事してたら化学反応が起こってくる。その楽しさに気づいたから。だからやってみたら変わると思う。梅川大地っていう人間がこういうデザインをするっていうのをやるといいと思う


梅川:なるほど。


前田:今ホームページができてるから、外でも広げていくと「梅川さんみたいなデザインをしたいんです」って言う人が出てくると思う。その中から一緒に働いて欲しい人を見つけるっていうルートが良い気がするな。そしたら急にダウンしてもその右腕がいると思えば、すごく気が楽になると思う。倒れちゃいけないっていうプレッシャーもあるんじゃない?


梅川:あります。それがあるからデザインの仕事を受けられないなって思っちゃってて。


前田:最初はインターンとかでもいいんじゃない?その中でいいなっていう人を見つけて、一緒に働いていくみたいなのがいいと思うよ。それでだいぶ気持ちが楽になるんじゃない?


梅川:そうですね。それができたら倒れられるっていうの変なんですけど‥


前田:倒れられると思ったら倒れないかもしれないよ。プレッシャーがしんどいんじゃないかなぁ。


梅川:そうですね。


全部さらけ出して情報発信する

前田:それから全部をさらけ出して。情報発信すること。うめちゃん自身を外に発信していく。一番はデザインのこと。うめちゃんが作るデザインはどうやってできるんだろう?って思ってる人たち多いと思う。センスいいもの作るよね。それって才能で、それをどうやってやってるかをnoteに書くとか。自分が可愛いと思うものとか、自分の好きなツボとかでもいいけど。服もおしゃれだし、インテリアもおしゃれだし。うめちゃんちのダイニングテーブルの木とかおしゃれだもん。めっちゃ見てるでしょ。


梅川:見られてますね。誰も見てないぐらいに思ってました(笑)


前田:今日はニット帽かぶってないけど、メガネとか1個1個こだわりがあるから。うめちゃんが買ってるニット帽買いそうだもん。髪型どうやってんのかなーとか。靴も可愛いし。鞄の中とか見たいし。そういうの発信してみたら?梅川大地センスみたいな。梅川大地のセンスを出していって、その間にうめちゃんの人柄みたいなのが出る。


梅川:そうなんですね。僕の人柄…今日一番汗が出ました(笑)。


前田:2番目は私生活みたいな。誰も興味ないとか言うけどさ。こんなデザインする人がどういう生活してるのかとか絶対興味あるから。おしゃれな暮らしとかしてそうだし。ちょっと午後に奥さんと紅茶飲みながら公園行くとか。


梅川:やったことないなー(笑)。


前田:スケッチブックとかさ、持ってる?


梅川:あります。


前田:スケッチブックにアイディアとか落書きとかそういうのやってるでしょ。そういうのをツイートとかしたら?


梅川:やってみようかな。


前田:僕一切ないから羨ましいな。適当にメモとか書いて。アート的というかアーティストみたいな感じだから。


梅川:僕一部からあだ名が「アーティスト」になってて。知り合いが「あのアーティストみたいな人」って言ってて。

前田:それはいい事だよ。「アーティスト」はいい見え方だと思う。そうやって人から言ってもらったことって結構確信ついていて、大事にした方がいい。うめちゃんはセンスがキーワードだと思う。センスを出して行って、センスで釣るっていう事。うめちゃんのセンスっていうのはルアーみたいなものだから。あとは人間性だよね。一見気難しそうっていうか、ちょっと話しかけにくいなみたいな感じはあるけど、そういうのは言葉とかスケッチブックとかで優しい感じが出せると思う。


梅川:なるほど。


前田:あと買ったものとかね。今日これ買いましたとか。


梅川:買い物ほとんど食材だからな。


(取材同席のライティング担当の北山が思わず口を挟む)


ーーーでも絶対おしゃれな食材選んでると思う。


前田:分かる。しかもそれ絶対おしゃれな写真撮ってる。


ーーーうめちゃんの家、ゴミ箱がおしゃれなんです。


前田:え、そうなん?


ーーーツイートで「これは何?」って聞いたら「これはゴミ箱です」って。


前田:ゴミ箱に見えないんや?


ーーーそうです。

右下にあるのが梅川家のゴミ箱

梅川:あれは奥さんのセンスで


前田:服とかは奥さんじゃなくて自分で選んでるんでしょ?


梅川:服は僕が持って行くとダメ出しをくらうんですよ。「そっちじゃなくてこっち」って。奥さんの方がファッションとかインテリアは‥


前田:え〜!めちゃくちゃいいやん。

羨ましくて放心する前田さん

前田:見えてきたね。インスタはやってんの?


梅川:インスタやってますね。


前田:インスタ相性いいよ。絶対。インスタのフォロワーいくつ?


梅川:始めたばっかりなんですけど、今16人だったかな?まだそれぐらいで。


前田:(会社のWebサイトを見ながら)このサイトはさ、中身はうめちゃんのサイトなのに会社のロゴついてるんだ?


梅川:会社に人を引き込むにはどうしたらいいのかちょっとわかんなくて。


前田:うめちゃんが立った方がいいと思うよ。タイトルを梅川大地のホームページにした方がいいと思う。だって世界観が思いっきりうめちゃんだし。


梅川:それは考え直します。


前田:佐藤可士和になるってことだからね。


梅川:ハードルがめちゃめちゃ高いですね(笑)。


前田:うめちゃんにとっての原点だからね。SMAPのCDにビビビときたわけでしょ。佐藤可士和はあれで本当に抜けたからね。あれで変わったよね。「これでいいじゃん」みたいな。


梅川:振り切り方がすごいですよね。


前田:今うめちゃんが世の中に対して何に対してパンクしていくのっていったら、最近割とロジカルだったりアカデミックだったりするでしょ。それに対して「そんなことうだうだ言っても結局ダサいじゃん」みたいな。「こっちの方が良くない?」みたいなスタンスがいいんじゃない?
僕の場合、簡単なことをわざわざ難しくする世界とは逆に、デザインてこんなもんでしょう?って。もっと一般人の人に歩み寄るデザインをやって行こうと思ったから。それがパンクだなと思って。

梅川:確かにそうですね。


前田:うめちゃんはうめちゃんで、「うだうだ言ってるけどこっちの方がいいじゃん。センスいいよねー」みたいに思われればいいんじゃない?
栗原はるみさんっているじゃない?料理の。あんな風になれば?デザイン界の。


梅川:デザイン界の栗原はるみ?(笑)


前田:そう。栗原はるみって料理だけじゃないの。エプロンとかキッチン用品とかキッチン周りのプロデュースしてる。デザインもやるけどセンスがいい文房具とかさ。文房具好き?


梅川:文房具すごい好きですね。


前田:デスク周りとかさ。あの人とかすごいセンスのがいい感じになってるやん。THE GUILDの安藤さんとか。


梅川:机のプロデュースとかやってますよね。


前田:そうそう。あれのうめちゃんの世界観みたいなのあるやん。


梅川:あるかもしれないですけど…(笑)。それこそフェチズムですよね。


前田:そうそう。うめちゃんの世界観を磨いて外に出していく。そしたら全部うまくいくよ。アシスタントも2人ぐらい雇って。


梅川:夢ですね。


前田:夢じゃないよ。うめちゃんチルドレン。そのためにやっぱり発信してかないと。


梅川:発信ですよね。今日の話聞いてやっていこうって思いました。全然自信がなくてやってなかったんですけど。僕のことなんか興味ないだろぐらいに思ってて。


前田:興味ないって思ってるんだったら興味惹かせようとか、何でもできるよ。


梅川:はい。


前田:僕も「うんこ漏らしてちょうどいい」って言ってるんだけど。本当にTwitterなんて。それぐらい誰も見てないし。その中で作ったものとか出してたら「前田さんのデザインすごい好きなんです」とか言ってもらえたりするから。濃いファンを作る。


梅川:結構それは腑に落ちましたね。


前田:よかった~。うめちゃんの発信をこれから楽しみにしてます!

このクリエイターコンサルの後、うめちゃんの名前を全面に出したWEBサイトを制作しました。タイトルのフォントも自作したとの事です!

また、Twitterやnote等で情報発信をたくさんしています。







<聞き手=前田高志/構成・執筆・編集=北山裕美/撮影:郡司しう/監修:浜田綾