NASU代表 前田高志がコンサルティング対談を行ない、そのようすを記事にする企画「NASU CREATOR’S DIRECTION」の9回目となります。


前田デザイン室で制作した小説『負けるデザイン』のクラウドファンディングに坪田幸輝さん(つぼたこうき、以下、つぼたん)が支援してくれたことにより、今回の対談が開催されました。


つぼたんは、大阪に住む現役大学生。独学でデザインを勉強し、2021年には株式会社NASUでもインターンとして働いた経験も持ち、学業以外にもアクティブに活動しています。現在はリサイクルショップでもバイトしている彼ですが、今回は1ヶ月半働いて得たバイト代をつぎ込み、前田のコンサルティングを受けにきました。



坪田幸輝(つぼたん)

立命館大学情報理工学部に通う、大学生。小さい頃から絵を描いたり、ものを作るのが好きで、小学校時代は手芸が趣味だったこともあるのだとか。中学時代はゲームにハマり、いつしかゲームやアプリを作るべくプログラミングができるようになれたらとという思いで、情報理工学部に入るのだが……。



エンジニア? デザイナー? 将来どうしよう

前田:え〜と、今日やることは、確か「1分間、本気で殴り合う」……。


つぼ:えっ、言葉でですか?


前田:いや、もう本気で。


つぼ:コッチ(げんこつを出しながら)ですか?


前田:うん。やってみる?

つぼ:負けそう……。なんか格闘技やってたんですか?


前田:全然やってないけどね。BREAKING DOWN」のデザイン、ロゴデザインもNASUでやってるから言ってみた。知らない?


つぼ:えっ、あの格闘技の、ですか?本当ですか? あ、なんかTwitterで見たかも……。


前田:今回、「BREAKING DOWN」を支援してくれたんでしょ? ありがとうございます。


つぼ:いや、違う違う(笑)。


前田:なんだったっけ?


つぼ:「クリエイターコンサル」です!


前田:あ、そうか。 じゃあまず、つぼたんは何してる人ですか?


つぼ:立命館大学の情報理工学部というところに通っていて、そのまま順当に進んだらエンジニアになるような感じだけど、それとは別に自分でデザインをやったりしています。元々プログラミングがしたくてこの学部に入ったんですけど、あんまり授業の内容がしっくり来なくて……留年して、いま2回生ですね。


前田:何がしっくり来なかったんだろう?


つぼ:授業で手を動かしてやる内容が、何かを作るっていうよりも、概念理解とか計算とかが多くて、あんまり楽しくなかったんです。


前田:「何かを作る」ことを求めていたけど、そうじゃなかった。留年はなんでしちゃったの?


つぼ:1回生の前期が3単位で、後期が9単位。で、あと数単位落としたら留年確定になってしまったんですが、ねばりきれず……2回生の秋に。1回、気持ちが落ちちゃうとダメになることが多くて、どうにもならなくなってしまうことがあるんですよね。留年は、どうにもならなかった例です。


前田:今いちばんの悩み、迷いはどんなこと?


つぼ:将来どうしよう、っていうのがいちばんにありますね。いろんな人に聞かれるんですよ、いろんな人に「将来どうしたい」って。「エンジニア? デザイナー? それとも、何か別のことをやるの?」みたいな。でも、あんまり就職したくないんですよね……本音を言っちゃうと。

前田:それは、なんで?


つぼ:毎朝、定時に起きるのが難しくて……。とにかく、自己管理ができないんです。


前田:今日も、遅刻してきたしなぁ。なんで遅刻したの?


つぼ:……寝てました。(集合15時で、つぼたんがやってきたのは15時40分頃)


前田:本当は、やる気なくなっちゃったんだよ、じつは(笑)。「まず遅刻を直そう!」で終わっちゃうじゃん? 遅刻コンサル。でも、さっき窓の外を見てたら、必死に走ってきたから、もしかして仕方ない遅刻だったのかなって。


つぼ:……しかも、スマホの充電切れて道がわかんなくなってしまって。もう思いきって人に聞きましたよ。「“株式会社NASU”って調べてもらっていいですか?」って。


前田:え、街の人に? いきなり? コミュニケーション能力高いな!


つぼ:いや、でもそうでもしないと間に合わないって思って……。調べてもらうまで、逆の方向に行ってしまったりしてたので。


前田:彼女にも「シャフ」って、言われてたんだって?

シャフ……「社会不適合者」を略したネットスラング。ただし、自虐的に用いられたり、親しい間柄でツッコミのように使われることが多く、安易に人に使ってはいけない。


つぼ:言われました。別れるときに「もっと普通になって」って言われて(笑)。


前田:それは、「遅刻」「時間ルーズ」「寝てる」とか?


つぼ:たとえば、バイト後の夜遅くに彼女の家に行くときも、「11時ぐらいに着く」って言って、終電ぎりぎりの12時くらいに着いたりとか。ちゃんとデートって時は大丈夫なんですけど、家に行くってときは、遅れてたりしてましたね。


前田:自分のダメな部分っていうのは、開き直りすぎるのはよくないんだけど、ある程度受け入れて「自分はこういう人間だから」って、見切りをつけないといけないんだよね。

前田:めちゃくちゃいい言葉があって、USJを立て直した「株式会社刀」っていうマーケティング会社の社長で、森岡毅さんという方の。森岡毅さんは、「弱点を克服して成功した人を見たことがない」って。これ本当にそうで、弱点を克服するよりも得意なことを伸ばした方がいいと思うんだ。つぼたんの得意なことはなんなの?


つぼ:好きなことを勉強するのが、好きですね。逆に、嫌いな教科を勉強するのがとことん嫌い。現代社会がすごく好きで、教科書と問題集がひと通り終わっても、まだ飽きずに辞書みたいな参考書を開いて「わからないことないかな」って、ずっと見てましたね。


前田:勉強は好きなんだね。でも、それは高校の話じゃない? “今”、得意なことは何?


つぼ:今は、うーん……? でも、デザインもそうだと思います。誰かに教わったわけじゃなくて、完全に独学ですし。WebとかUIとかに興味があるんですけど、ちょうどIT関係で色々やってる友達がいるので、案件をもらったりもしてますし。


前田:仕事をするのと、勉強するのだったら、どっちが優先順位が上なんだろう? たとえば、仕事につながらなくても、勉強自体で満足なのかな?


つぼ:どちらかっていうと、身のためになる、実践で使える勉強が好きですね。


前田:うーん……じゃあ、もしデザインやっていくなら、学校辞めたほうがいいんじゃない?(笑)


つぼ:えっ! でも……エンジニアの道もあるじゃないですか。「授業がしっくり来ない」というのはあるんですけど、研究室に入ったら楽しそうだな、とは思ってるので。それに、学歴を失うのもあんまりよくない気がするんですけど……あった方が良くないですか?


前田:でも、就職はしたくないんじゃないの? なんだか、その辺が潔くないよね。


つぼ:……中途半端、ですか?


前田:それか、大学に行きながら、興味がある分野の学校にも通って勉強できるじゃない?


つぼ:大学で勉強してる情報系のことも、興味はあるんですよ。元々プログラミングがやりたくて入ってるので、完全に「好き」が「嫌い」になったわけじゃない……というか。


前田:それなら、大学でやってることを極めたらどうなの?


つぼ:……それもどうかなぁっていう感じなんですよね。ただ、エンジニアでも楽しそうな会社だったら就職したいっていうのもあるんですよ。


前田:どういう会社?


つぼ:うーん……たとえば「ライゾマティクス」とか「チームラボ」とか。楽しそうじゃないですか? 新しいことをやってる、ベンチャー寄りの会社には惹かれます。続くかはわからないですけど、やってみたいっていうのはあります。


前田:「楽しそう」っていうのは、新しいテクノロジーで、誰も見たことないようなものを作ってるとか、そういうこと?


つぼ:あ、そうです。シンプルにワクワクするものを作っているとか。


前田:そういう会社に行くならプログラミングが要るよね。でもデザインもやってるじゃない? やっぱり何か1つに、絞らないといけないと思うんだよね。


つぼ:「なにに特化するの?」ってことですよね。


前田:そうそう。迷いそうなタイプだと思うんだよ、つぼたんて。自己管理できないって言ってたでしょ?


つぼ:できないですね。優柔不断で。


前田:そしたら覚悟を決めて、例えばサイコロ振って、出た目のもので「一番になる」。とにかく。何が出るかはわからないけど、とかやったらいいんじゃないかな?

つぼ:サイコロですか?(笑) うーん……なるほど。



「友達クリエイター」の才能

前田:デザインは、なんでやり始めたの?


つぼ:最初は、動画編集をやってたんですけど、高校の友達がゲーム実況やるって言うので、「じゃあ僕が動画編集とサムネイルをつくるから、一緒に頑張っていこう」みたいな感じで始めて。ただ、動画編集に時間がかかりすぎるので、途中からサムネイルだけを作るようになって。そこからeスポーツの大会のクリエイティブとかをやるようになって、「デザイン楽しいな」って。

前田:へ〜。eスポーツのどんなものをデザインしてたの?


つぼ:大会の告知画像、チーム表、あと順位表だったりの枠組みを作ってたりしてました。


前田:それは、何が楽しかった?


つぼ:やっぱり、表現できるっていうか、きれいに作れたとか、かっこよく作れたときの満足感がすごくて。自己満かもしれないですけど。


前田:じゃあ、それをずっとやっていくのはどう?


つぼ:eスポーツ系からは1回離れちゃってて、それで戻りづらいっていうのもあるんですけど、それ以前に、興味があっちこっち行ったりすることが多いんです。今は、デザインから派生して、印刷物とか、Web、UI、なんか色々やってみたいですね。とりあえず手を出しちゃうんですよね。何が一番好きかを探ってる最中……なのかな。でも、どれも楽しくて……。


前田:やったことないことってなんでも楽しいから。よく「やりたいことを探す」って言うけど、あれ、間違ってるからね。大体、なんだって楽しめちゃうじゃん。だから、「やりたいこと」じゃなくて「人より楽にできちゃうこと」。それを仕事にしたほうがいいんだよ。


つぼ:それで言うとデザインは、けっこう時間かかっちゃってました。こだわりすぎる、っていうのはあるのかもしれないですけど。


前田:自分では大して力を入れてないのに「褒められる」ってものを見つけるの。たとえば、ここに来るまでの間に、道がわからないから人に声かけて、調べてもらうのもそうだよ。俺にはできないもん、それ。


つぼ:確かに、そういうのは人からもよく言われるかもしれないです。この間、東京に一人で行ったときも、六本木の展望台に行って、そこにいたカメラで撮影してる人に話しかけたら、話が弾んで一緒にスタバに行ったりしました。

ちょうど昨日、その方が大阪に来てたので「一緒に撮影しよう」って撮影スポットを回ったりして仲良くなった、みたいなことはあります。


前田:それが才能だと思うよ。


つぼ:人と関わるのは、楽にできるかもしれないですね。周りからも「友達に恵まれてるよな」って言われたりするんで。プログラミングスクールを運営してる子だったり、実況者だったり、それこそフォトグラファーだったり。

(少し考えて)……確かに、友達には恵まれてるかもしれないですね。


前田:いいじゃん! そしたらさ、かわいい女の子をアテンドしてよ!


———いやいやいや(笑)。(撮影していた浜田がと思わずツッコミを入れる。)

前田:俺、友達が多いっていうのは、才能だと思うよ。俺には無理だもん。


つぼ:ただ、自分ではコミュニケーション能力は高くないと思ってるんです。言葉も詰まったりするので。


前田:うん、だから“しゃべり”じゃないよね。


———「一緒にいたい、とか、この人と一緒にいたら楽しそう」とかもありますよね。(浜田)


つぼ:あぁ、「トゲがない」っていうのは、めっちゃ言われますね。それに、僕自身が一人ではできないことが多くて、動画編集も一人では続かなかったから、実況やってる友達を手伝う形で始めて、そこからたまたま今まで続いてるのがデザインだった。その前には、ブログもやってたんですよ。でも、ブログも……。

前田:一人では続かなかったんだ。人の反応がないと、できないのかな?


つぼ:そうです。承認欲求も少し強めなのかもしれないですけど、なんでも最初は人の反応って、ないじゃないですか。反応がないと、その状態のまま継続できずに違うほうに行ってしまうので、「一緒に頑張ろう」みたいな人がいないと、わりときついかもしれないですね。


前田:たとえば、自分がリーダーでチームを作って、何かを作ろうとかみたいなのはないの? 前田デザイン室で、僕がやってるみたいに。わりと僕の場合は、そういうの昔からやってて。みんなでゴルフに行くときでも、そのチームに名前つけたりとか、割と自分のチームみたいなものを作って活動するタイプなのよ。そういうのはないの?


つぼ:学校内だと、入学してからずっとオンラインだったんで、あんまり友達の輪とか広がってないじゃないですか。だから、友達同士をくっつけたり、はありますね。


前田:人と人とをくっつけるの?


つぼ:そうですそうです。たとえば、同じ学科の3人グループと3人グループをくっつけて、友達と友達でみんな仲良くなる、みたいな。


前田:やっぱり“友達”なんだね。「友達クリエイター」じゃん!


つぼ:その辺は、確かにそうですね。


前田:ガーシーさんっているじゃん? YouTuberの。あの人もそうなんだよ。元々、人との繋がりがめちゃくちゃ多い人で。あ、ガーシーさんの『死なばもろとも』っていう本、関西弁の監修、俺がしてるのよ。クレジットも入ってて。

「ガーシーさんがすごい」ってなったエピソードがあって、ある大御所の芸人さんに、初めて紹介されたときに「こいつ、深夜2時でも女の子呼べるんですよ」っていう紹介のされ方をしたんだよね。その芸人さんは「こんな時間にそんな女の子が来るわけないやろ」って信じてなかったんだけど、ガーシーさんは本当に呼んだんだよね。それで、「お前、すごいな!」って言われて、そこからもう、特別扱い。

クラブでも、サークルでも、企業でも、いっぱいいろんな人と繋がってる。それはもう、完全にコミュニケーション能力がなせる技だよね。



先頭集団は、どんどん先に行く

前田:そもそも、クリエイターコンサルをなんで受けたんだろう? だって10万円だよ? 学生の10万円って、社会人の100万円くらいの価値じゃん! いや、1000万円かも。なんでもできるじゃん!


つぼ:ヤバいですよね。


前田:ヤバいよ! でも、「どうにかなりたい」って思ってるから受けたんだよね?それは、他の人よりも上に行きたいとか、そういうこと?何を求めてるんだろう?


つぼ:うーん……もしかすると、好きなことができてお金稼げたらいいのかもしれないですね。


前田:自分がつくったものでお金を稼ぎたいっていうこと?


つぼ:そうです。けど、そうじゃなくても全然いいんです。お金稼げて、自分の趣味っていうか、やりたいことがやれる時間が確保できれば、多分、満足はすると思うんです。


前田:そしたら、ふつうに仕事探して、土日にもの作りするとかがいいかもしれないな。でも、働きながら趣味でものづくりするのが楽しいんだったら、別にクリエイターコンサルを受けなくてもいいわけじゃない?元々のきっかけを、もう一度ちゃんと聞きたいね。

つぼ:元々のきっかけは、「クリエイターとしてもっと上に、行きたい」って感じです。


前田:じゃあ、クリエイターとしてつくったものを売って、お金を稼ぎたいっていうことだよね?


つぼ:ですね。


前田:じゃあ、すごい当たり前のことを言うけど、めっちゃ勉強して、いっぱい作ることだよ。でも、何か1つに決めなきゃいけない。「この道だ」って。

だって、お金を稼いでいくわけだし、その道で上の方に行きたいってことだよね?そしたら、誰よりもそのことを考えて誰よりもやってないと、先頭集団からは、どんどん離れていくだけなんだよね。


つぼ:……確かに、そうですよね。


前田:中学、高校から絵ばっかり描いてて、美大受験をするために1年間でこのぐらい(指を10cmほど広げて)絵を描く。そういうグラフィックや、視覚の分野を専門にしてきた人が美大に行って、さらにうまい人の絵を見て、刺激を受けてるわけじゃない。

その人たちよりも、1段階上のデザイナーやクリエイターになるって言ったら、渡り合っていくっていう覚悟が必要なんだよね。だから「あれもやってこれもやって」じゃ、太刀打ちできない。

つぼ:デザイナーになるなら、エンジニアのほうはやめたほうがいいですかね?


前田:うーん……でも、それはむしろ逆で。デザインの勉強をしっかりやって、プログラミングも頑張ってたら、めちゃくちゃ強くもなることもあるんだよ。デザインだけやるよりも、エンジニアと掛け合わせることで。

たとえば、NFTを極めるのは? NFTはデザインもプログラミングもめちゃくちゃ相性いいじゃん。この間、1日1枚、AIが自動で作ったピクセルアートがイーサリアムで売れる、っていう話を見てさ。それだって、どんどんオークションで値段がついたりしてるんだよね。


つぼ:じつは、研究室は人工知能とAIを専攻してるところに行こうと思ってたんです。そこにデザインとか、自動生成とかを掛け合わせたら楽しくなりそう、って思ってたんですけど、落ちて、ゲームAIの研究室になってしまったんですよね。


前田:落ちて、っていうのは?


つぼ:研究室は、希望を出すんですけど、成績と志望理由で選ばれるんですよ。僕、成績が壊滅的なので……。


前田:でもさ、それは研究室じゃなくて、独学でもできるんじゃない?

つぼ:確かに……やろうと思えばできるのか。聞けば答えてくれますもんね、教授も。


前田:うんうん、むしろ入りたかった研究室の教授にたくさん質問しにいってたら、「転向してこいよ」って言われるかもしれないよ?


つぼ:自分がやる、って決められるかどうかなんですね。



脱・オンでもオフでもない「オンフ」状態

前田:ここまでで、出てきたのは2つ。1つ目は、友達クリエイターになる。友達をどんどん増やしていく。もの作りが好きな人として、友達をどんどん増殖させていく。それで、自分のコミュニティをつくって、例えば作ったものをその中で買ってもらうとかね。ただ、これはどうなるかわからないから、「賭け」だよね。

2つ目は、プログラム×デザインで、クリエイターとして作るもののクオリティを上げて、一旗上げる。NFTをやるとかね。


つぼ:めっちゃしっくり来てますね。その2つ。「友達クリエイター」になるとしても、プログラミングができるなら、できたほうがいいですしね。


前田:多分、友達クリエイターは自然とできることだと思う。もしNFTやるなら、NFTをやってる友達を、死ぬほど頑張って増やしていけばいいんじゃない?


つぼ:確かに……いないですね、NFTやってる友達。


前田:留学と一緒なんだよね。英語を学びに、海外に行くじゃん?海外で生活して、周りが英語になるから、英語がうまくなる。デザインもそうだけど、デザインをする人やクリエイティブ系の人を周りに置いたら、情報がそれに寄るから、インプットされるものも変わるし、アウトプットが変わる。まずはNFTとか、プログラミングの友達をたくさん見つけていく。


つぼ:周りはデザイン関係とかが多かったので、確かにプログラミング系の友達があんまりいないっていうのは、大きいかもしれないです。


前田:それと、まだ「プロでやっていくぞ」みたいな覚悟が、あんまりできてないのかもしれない。僕が大学2年のときかな、違う大学の友達でファッションの大学に入った子がいて、「前田くんは何を武器に食べていくの」って言われて、ショック受けたの

1年生の時に、これでもかっていうくらい遊んだ直後だったから、その質問が衝撃で。「私の友達は、誰々っていうファッションデザイナーの弟子になるために動いてるよ」って言われて……。自分は仕事のことなんか考えてなかったわけ。

だから「プロでやっていく」っていう自覚、覚悟をまず持って、友達を作れる才能を生かして、プログラムとデザインを磨いていく、っていうのがいいんじゃない?


つぼ:どういう友達をつくるか、は大事ですね。確かに周りを見渡しても、インターンが始まる時期で、前から準備してた人と今になって焦り出した人で差が出てきてる、って感じることもあります。自分の周りに、頑張ってる子がたくさんいたら、自分も頑張らなきゃいけない、ってなりますもんね。


前田:今、つぼたんは「プロになる」とかを全部、ごまかしたり、濁してる感じ。スイッチが、オンなのかオフなのか、よくわからない中間のところっぽい……はてなマークが付いた、「オンフ?」みたいな感じ!


つぼ:オンフ……(笑)!

前田:そうじゃなくて「プロになる」「プログラムをやる」「デザインをやる」っていうスイッチを、全部オンにしていかないと。これって決めたら強い人だと思うんだよ。好きな科目の勉強が、とことん好き、とか。


つぼ:デザインを始めたときも、そのときはデザインしかない、って思ってたんで。「マジでセンスない」とか、最初は言われてたんですけど。


前田:「オンフ」を「オン」にしていかないとね。例えば、物理的なスイッチを作ってみたら? モノづくりの一環として。毎朝、「デザイン、オン!」って行って、スイッチをオンにするの。あ、いいな、俺やりたいな、それ(笑)。


つぼ:(笑)。めっちゃ楽しそう!


前田:テンション上がるよな。壁に付けて、朝会社に来て「デザインやるぞ」ってなったらスイッチ、オン。それ面白いな、やる気スイッチのリアルなやつ、やろうかな。

つぼ:それ、欲しいです。


前田:つぼたんに必要なこと、一番は「プロになる」って意識をもつこと。二番に、「デザインとプログラムを掛け合わせたクリエイターになる」。それで最後に、「そのための友達をつくる」。完璧じゃん。


つぼ:完璧ですね。


前田:あとはスイッチを入れるだけだ。


つぼ:「オンフ」を……オンに……。


前田:よし! 俺がスイッチ、押してあげるよ!


つぼ:え? あ……お願いします!

ピッ。




前田高志のやる気スイッチ効果か? このコンサル対談が終わった直後につぼたんは、noteを書いています。こちらも合わせて読んでみてください。

前田高志さんのクリエイターコンサルを受けて




<聞き手=前田高志/構成・執筆・編集=郡司しう/撮影・監修:浜田綾/レタッチ・監修:小野幸裕水上肇子