この空間だけ、8年先。 未来の食文化をつくるブランドづくり。 

8go

概要

「8年先のリジェネラティブな食文化がスタンダードになった未来」を、ひと足早く現在に実装する。

東京・八重洲に2024年12月プレオープンした飲食店「8go(エゴ)」は、そんな挑戦から生まれた新しい食の場です。NASUは本プロジェクトにおいて、ネーミング・ロゴ・店舗ツールといったブランド体験全体のコミュニケーションデザインを担当しました。

プロジェクトのはじまり

8年先でスタンダードなカフェを再現する

東京・八重洲に2024年12月プレオープンした飲食店「8go(エゴ)」のネーミング、コンセプト設計、ロゴや店舗ツールのデザインを担当しました。

「8go」は、食の分野からリジェネラティブな社会の実現を目指す施設「TOKYO LIVING LAB」内の店舗であり、食を通して環境や社会にとってより良い行動を起こし、再生を促す新しい形の飲食店です。

レストランの立ち上げにあたり、NASUは、リジェネラティブなこの取り組みがスタンダードになった未来のカフェを再現するというコンセプトを提案しました。プレオープンの2024年から8年後は2032年、SDGs(持続可能な開発目標)の達成が目標となる2030年の2年後です。
オープンから8年先の、「再生」があたり前になった時代の人気店を再現する。そして、「このお店に行きたい」という期待から人が集まり、結果的にリジェネラティブが文化として浸透していくことをこのプロジェクトの狙いとしています。

NASUの目論見

未来を想像させ、文化を浸透させる言葉の設計

クライアントからの要望は、「幅広い人々が自然に集まる開かれた場にしたい」というもの。しかし、環境性を打ち出しすぎると一部の人にしか届かないリスクもありました。

私たちはそこで、“2030年のSDGs達成目標を越えた8年後のスタンダード”を発想の起点とし、未来を感じさせるネーミングを検討。「八重洲」「GO(進む)」「8年後」を掛け合わせた造語「8go(エゴ)」を提案しました。

「エゴ」は「利己主義」ではなく「自我(ego)」を意味し、“自らの意志で未来に関わる姿勢”を体現するネーミング。リジェネラティブを説教臭くなく、自然に生活文化として取り込むための言葉のデザインです。

目論見に基づいた制作物のご紹介

再生・循環・融合を可視化するビジュアル言語

ネーミングと連動して設計されたロゴは、ロゴタイプはレムニスケート(∞)を思わせる円の構成で、リジェネレーション(再生)をはじめ、無限、融合、共創といった未来志向の価値観を象徴している。

円の大きさ、重なり、ラインの太さなどを調整し、動きと調和のあるシンボルへと昇華。ネーミングと共にブランドの思想を視覚的に伝える役割を果たします。

シンプルなかたちでありながら、「8go」の世界観を内包する、言葉以上に語るロゴデザインを目指しました。

店舗コンセプトを体現する、各種ツールのデザイン

リジェネラティブという店舗のテーマを体現するべく、「捨てられないデザイン」「再利用」「再生素材」といったキーワードを軸に、各種ツールのデザインを提案しました。また、Webサイトもあわせてデザインしました。

店舗のサインをはじめ、ゴミ箱のサインやコースターのイラストも、ロゴと同様に「循環」を示す円の造形を基調としています。

吸引力のある入り口のデザイン

店舗の場所は駅から近いものの、大通り沿いではなく、商業施設の地下に位置しています。
そのため、いかに地域の方に存在を知ってもらい、足を運んでもらうかが課題でした。
そこで店舗では、ガラス張りの空間を活かし、8goのロゴを大きくあしらうことで存在感を強め、遠くから見ても「ここはなんだろう?」と思わず気になってしまうような、吸引力のあるデザインを目指しました。

昼と夜で世界観が変わるメニュー表

また、昼と夜ではメニューだけでなく、店の雰囲気も異なる世界観を演出するため、時間帯ごとにカラーを設定。それぞれの世界観をランチメニューとディナーメニューのデザインにも反映しています。


ランチメニューでは、一般的なメニュー表ではなく、雑誌のように読み進めたくなるレイアウトを採用しました。環境への配慮を強く打ち出しすぎると「味はどうなのだろう?」という懸念を抱かれる可能性がある一方、こだわりを伝えなければ価格への納得感が生まれにくいという課題があります。そこで、雑誌のような構成にすることで、食材へのこだわりやスタッフノートなどの情報を、説明的になりすぎない形で自然に読める設計にしました。


ディナーメニューではフォントを変更し、設定したカラーを使ってページごとに色を変えることで、よりデコラティブな世界観を表現。料理のビジュアルに、8goのロゴモチーフやキーワードを組み合わせることで、料理のユーモアや特徴が一目で伝わるデザインにしています。

また、グルテンフリー、ラクトフリー、ヴィーガン、ハラルといった食の配慮についても、簡易的なアイコンで表記。必要な人が直感的に確認できる設計としました。

メニューの内容・価格は制作時点のものであり、随時変更されることがあります。

最初のイメージを左右するショップカードとコーヒーカップ

オープン初期に制作したショップカードやコーヒーカップでは、ロゴの中でも印象的な「8」をシンボルとして使用。「8」の形そのものが8goを想起させるような、認知を促すデザインにしています。

細部に思想を宿し、、世界観を築く。

プレス向け発表会で配布したコースターには、環境に配慮されたレザー素材を使用し、8goの造形を活かしたデザインを制作しました。一見するとパイナップルレザーとは分かりにくいため、絵柄にパイナップルをあしらい、「なぜパイナップルなのか?」という会話が生まれるきっかけをつくっています。


店内のサインには、8goのロゴの遺伝子を持つアイコンを制作。
小さな要素を積み重ねることで、空間全体に8goの世界観が広がるよう設計しました。


紙ナプキンには、コーヒー豆の再生素材「シルバースキン」を使用しています。
このマークは単に「再生素材」を示すだけでなく、さらに次の使い方を提案するものです。たとえばメモ帳として使うなど、本来の用途以外の使い方も促しています。
再生されたナプキンを、それぞれの方法で「さらに再生」してもらうことで、リジェネラティブな意識につながることを目指しました。


コーヒーマシンの液晶に表示される画像は、リジェネラティブについての豆知識を教えてくれます。8goのロゴの形をしたキャラクターが語りかけることで、リジェネラティブを楽しく知るきっかけになっています。


グランドオープンパーティーでは、液晶ディスプレイに表示するビジュアルもデザイン。祝い事の象徴である花をモチーフに、日本の伝統色で構成することで、特別な場の雰囲気を演出しました。玄関に花を飾るおもてなしの意味と、デジタルの花=持続性という解釈を重ねたデザインになっています。


環境保護の観点から、紙製の名刺の代わりに、スマートフォンをかざすだけで情報交換ができるプレーリーカードを制作しました。あえて名刺らしいデザインにすることで「未来のスタンダードの名刺は紙ではない」というメッセージを込めています。


「8年後のスタンダード」という8goのコンセプトを浸透させ、実行していくためのインナーブランディングツールとして、「8年後の日めくりカレンダー」をデザインしました。

カレンダーには日付と合わせて8年後の年が書かれており、8年後という具体的な未来を想像することで、再生(リジェネラティブ)があたり前となる未来のための行動を促すことを目的としています。

8年先の食文化に触れられるサイト

この空間が「8年先の食文化」を体現しているように、Webサイトもまた、いまの飲食店サイトより少し未来にある存在を目指しました。

一般的な飲食店のサイトは、メニューを見る、予約をするといった機能が中心です。
しかしこのサイトでは、そうした“店舗情報の案内”ではなく、食に対する考え方や、8goが取り組んでいることを伝える場として設計しています。

たとえば、ブランド名「8go」に込められた意味や、料理人自身の言葉で語られる料理への想い。さらに、食体験を支える要素としての色や空間へのこだわりなど。

単なる店舗紹介ではなく、8goというブランドの思想や背景を知ることができる構成にすることで、訪れた人がこの場所の目指す「未来の食文化」に触れられるサイトを目指しました。

Webサイトはこちら

制作概要

クライアント
8go
クリエイティブディレクター
前田 高志
ロゴデザイン
前田 高志
デザイン
久本 晴佳、小野 幸裕
Webデザイン、STUDIO実装
中川 誠也
カテゴリー
飲食店
サービスサイト
Web/UI
グラフィック
ネーミング
企画・ブランディング
ロゴ
名刺

前へ

次へ