既存の書体を使って独自の書体を作る、発明的なロゴデザイン
税理士法人ベイカ・ワン
概要
パン屋専門の税理士法人「ベイカ・ワン」をPRするためのロゴをデザインしました。当初はポップアップストアで使用するロゴというご依頼でしたが、ベイカ・ワン社長の夢である出版活動を応援するために社員の方が立ち上げた「株式会社ベイカ・ワン」の正式な法人ロゴとしても使用いただいています。
プロジェクトのはじまり
社員の想いから始まった、恩返しのロゴ制作プロジェクト
本プロジェクトは、NASUが実施した「早すぎるロゴ」企画へのご応募からスタートしました。これは、1週間という短納期かつプロモーション協力を条件に、通常のフルオーダーメイドに比べて費用を抑えてロゴを制作する、チャレンジングな企画です。
ご依頼主は、税理士法人「ベイカ・ワン」に勤める喜多さんという社員の方でした。ベイカ・ワンは、社名の由来にもなっている “ベーカリーナンバーワン” という目標を掲げ、パン屋さんに特化した税務サービスを展開しています。税理士法人でありながらクライアントがパン屋さんに限定されているという点で、非常に珍しいスタンスを持った法人です。
依頼の背景には、単なるロゴ制作を超えた、ある想いがありました。それは、「社長である河原さんへの恩返しをしたい」という気持ち。
喜多さんは、社長の夢である出版活動を応援するために、自らの名前で税理士法人ベイカ・ワンをプロモーションするための「株式会社ベイカワン」の立ち上げ、その活動用にロゴ制作を依頼されたのです。
NASUの目論見
情緒と論理を両立させた、“らしさ”のデザイン設計
ヒアリングの中で、喜多さんのデザインに対する信頼と期待の高さが伝わってきました。ご本人は奥様とカフェ巡りが趣味で、特に静岡の「ハグコーヒー」の情緒的なグラフィックデザインに感銘を受けたといいます。
そのセンスと想いを受け止め、本ロゴも情緒的な方向性をベースに設計を進めていくことにしました。
目論見に基づいた制作物のご紹介
構造からつくる、発明的なロゴ
ロゴには既存の書体を使用せず、「A・T・D・7」といったアルファベットや数字のパーツを再構築してカタカナ「ベイカ・ワン」をデザインしました。これは、「All Time Devotion 7 Days(毎日献身的にやろう)」というスローガンに基づいた発想です。偶然にも川原社長が日頃から語っていた言葉と一致し、大きなご共感をいただきました。
初期案ではHelveticaをベースに構成していましたが、より幾何学的な骨格をもつDINに近い書体へとシフトすることで、パーツを組み合わせたときの美しさと秩序がより際立つ仕上がりとなりました。




当初は万博出店時のポップアップストアで使用するロゴという依頼でしたが、提案後にオフィス壁面のネオンサイン設置というアイデアも加わりました。そこで、「パンらしさ」を表現するため、パンのシルエットと組み合わせたロゴもご提案しました。

当初は出版活動のプロモーションロゴとして始まったこのデザインですが、現在では新しく設立された「株式会社ベイカワン」の正式な法人ロゴとしても使用されており、税理士法人ベイカ・ワンの25周年を記念するTシャツやスタンプなどのノベルティ展開も予定されています。
制作概要
- クライアント
- 税理士法人ベイカ・ワン
- デザイン
- 前田高志
- カテゴリー
- 専門・技術サービス業
- ロゴ
