課題がなくても、変える。未来のためのロゴデザイン
株式会社アイティエス
概要
工場も土木建設現場も学校も。オフィスのお困りごとをICTで解決する株式会社アイティエスの、次の半世紀を象徴するロゴのリニューアルと名刺をデザインしました。
プロジェクトのはじまり
創立50周年の節目に、新しい旗印を。
静岡県三島市に拠点を置く株式会社アイティエスは、創立から50年、地域とともに歩んできました。
本プロジェクトは、同じ三島市に拠点を置く株式会社ダイナナのロゴリニューアル(NASUが制作を担当)をきっかけに、アイティエスの社長から「自社のロゴも新しくしたい」とご相談いただいたことから始まりました。
折しも同社は、創立50周年という大きな節目を迎えるタイミング。これまで築いてきた信頼や文化を受け継ぎながら、次の50年へ進むための新しい象徴を、ともにつくることになりました。
今回のリニューアルには、何か大きな課題があったわけではありません。むしろ、これまで着実に成長を続けてきた会社だからこそ、50周年という節目に一度立ち止まり、自分たちらしさを見つめ直して、これからの50年にふさわしい姿を考える。そんな未来に向けたロゴリニューアルでした。
NASUの目論見
変化を恐れず、仲間と生き抜く。その強さを民族(トライブ)としてロゴにする。
アイティエスが経営の使命として掲げているのは、「地元で生まれた人が、地元で安心して働ける企業」であることです。その言葉の通り、同社には社員一人ひとりを大切にする文化が根づいています。
例えばリーマンショックの際、経営環境が大きく変化した時期にも、社員が一丸となって新しい仕事を生み出し、雇用を守りました。また、それぞれの現場に潜む困りごとに寄り添うシステムを提供することで、独自の立ち位置を築き、着実に成長を続けています。
ワークショップやヒアリングを通じて見えてきたのは、環境に合わせて変わり続ける「進化」と、仲間と力を合わせて困難を越える「生存」の力でした。
当初は、変化に適応し続ける企業の姿から「ダーウィン企業」というコンセプトを提案しました。しかし、対話を重ねる中で、アイティエスの強さは一社だけで競争を勝ち抜くことではなく、社員が知恵を出し合い、結びつきながら前へ進むことにあると気づきました。
そこで、制作の軸となる考え方を「何があっても、知恵と絆で生き抜く民族(トライブ)」と定めました。
目論見に基づいた制作物のご紹介
一人ではなく、民族(トライブ)として前へ進むロゴ
ロゴでは、「IT企業としての先進性」と「地域に根ざした温かみ」の両立を目指しました。


メインモチーフに選んだのは、右上へ伸びる「スラッシュ(/)」です。環境に合わせて進化を続ける姿と、次の50年へ向かって成長する意志を表しています。一本のスラッシュは、民族を構成する一人の人。その一人ひとりが同じ方向を向くところから、この形は始まっています。
複数のスラッシュを組み合わせた形は、「I」「T」「S」の3文字を抽象化したものです。同時に、仲間が列をつくり、ともに前へ進む民族の姿にも見えるよう設計しました。文字として明快に読ませることよりも、人が集まり、同じ方向へ進む力を感じさせることを大切にしています。


社名「ITS」のロゴタイプは、右へ進むほど文字の存在感が強くなる構成にしました。これまでの50年を足場に、さらに大きく飛躍していく未来を表現しています。

またカタカナ表記には、漢字の「人」のような柔らかなはらいを取り入れました。民族を形づくるのは、ほかでもない一人ひとりの人です。システムをつくる会社でありながら、その中心にはいつも人がいる。そんなアイティエスらしい体温を感じられる、独自の書体です。

全員で知恵を出し合い、次の50年へ。コンセプトを体現する決定プロセス
今回のプロジェクトでは、最終候補の3案の中からアイティエスの社員のみなさんに投票していただき、ロゴを決定しました。






ロゴリニューアルでは、経営陣を中心に方向性を決めることも少なくありません。しかし今回は、どれが正解という課題を解決するためではなく、この会社らしい未来を社員みんなで選ぶことを大切にしました。
全員で知恵を出し、全員で困難を乗り越えてきたアイティエスだからこそ、新しいロゴを社員みんなで選ぶというプロセスそのものが、「知恵と絆で生き抜く民族(トライブ)」というコンセプトを体現する時間になりました。
知恵を出し合い、絆を力に変えながら歩んできた50年。その文化を受け継ぐロゴは、次の50年を歩むアイティエスの新しい旗印となります。
進化していく姿勢を体現した名刺
ロゴとあわせて、名刺もリニューアルしました。名刺はロゴの次に目にする機会が多い、ブランドコミュニケーション設計を最大化するデザインです。意図的にシンボルとロゴタイプを分離して、右肩上がり、進化していく姿勢を示す右上に抜けるレイアウトにしました。

制作概要
- クライアント
- 株式会社アイティエス
- クリエイティブディレクション、デザイン
- 前田高志
- カテゴリー
- テクノロジー・IT・通信
- コンセプト策定
- グラフィック
- ロゴ
- 名刺
